日本のHRCと米国のHPDが1つの世界的な HRC事業体に
日本のHRCと米国のHPDはホンダの2つの独立したレーシング部門として活動してきたが、1つの世界的な HRC事業体として協力し、独自の専門知識とリソースを組み合わせてホンダのモータースポーツ能力全体を強化することになった。
HRC はホンダの二輪車レース部門として1982 年に日本に設立され、WGP/MotoGP、スーパーバイク、モトクロス、ワールドトライアル、パリ・ダカールラリーなどの最高峰の世界的レースカテゴリーにおける40年以上にわたって活動。2022年からはホンダのF1プログラムを含む四輪レースの開発も行っている。以降、四輪レースの開発機能を有したHRCは、HRC Sakuraを中心に、F1用のパワーユニットに関してレッドブル・パワートレインズに技術支援を行い、レッドブル・レーシングのタイトル獲得に貢献している。またさらに、2026年からはアストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ・ワン・チームにパワーユニットを供給することになっている。
一方HPD は、インディカー シリーズへのエンジン供給を目的にホンダの米国販売子会社であるアメリカン・ホンダモーターの100%子会社として1993年に設立され、 30年間にわたり、インディカーをはじめ、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、バハ オフロード、ツーリングカー、やジュニアカテゴリーレースなどのさまざまなレースシリーズに参戦。 インディカーでは180勝をあげ、13回のドライバータイトルと10回のマニュファクチャラーズタイトルに加え、伝統のインディアナポリス500マイルレースでは15回の優勝を達成してる。さらにIMSAにはアキュラブランドで参戦しており、2018年から現在までにデイトナ24時間レースを3度制覇、ドライバータイトルとマニュファクチャラーズタイトルもそれぞれ3回獲得している。
現在米国では F1グランプリが年間3度(オースティン、マイアミ、ラスベガス)行われており、新しい HRC US は F1のレギュレーションが大きく変わる 2026 年から F1 パワーユニットの開発とレースサポートに携わることになる。
ホンダ・レーシングの渡辺康治代表取締役社長は、今回の発表に際して「HRCブランドを高め、ホンダのモータースポーツ活動を持続していくために、日米ホンダのモータースポーツ開発力を束ねた一体運用は大きな力になるでしょう。日米HRCのエンジニアが協調すればより強くなることができると確信しています。アメリカのスタッフがHRCの仲間になることを心より歓迎します」とコメントしている。
新生HRC USの初レースは、来年2024年1月27日から28日に開催されるデイトナロレックス24の予定で、ディフェンディングチャンピオンであるアキュラARX-06プロトタイプのレーシングカラーリングにHRCロゴが付けられる。