トヨタが目指すクルマの「マルチパスウェイ」は、電動化を核とするパワートレーンの多様化だけではなかった。ジャパンモビリティショーでは、トヨタ流の「遊び心の多様化」につながりそうな、さまざまな提案を公開中。使い倒す愉しさを追求したコンセプトモデルは、カヨイバコだけではなさそうだ。

サイズはほぼほぼ現行ノア/ヴォクシーと同等

画像: Bピラーレスで前後方向に観音開きスライド、というわけで、開口部は異様な広さ。ただし実際の市販モデルでは、前ドアは大開口のヒンジタイプが現実的だろう。

Bピラーレスで前後方向に観音開きスライド、というわけで、開口部は異様な広さ。ただし実際の市販モデルでは、前ドアは大開口のヒンジタイプが現実的だろう。

EVだけじゃないトヨタの近未来を見たい!と思ったら、ぜひ立ち寄って欲しいのがトヨタ車体のブース。通路から見て真っ先に目に入るのが、大径タイヤにスクエアなフォルムが力強い「X-VAN GEAR(クロスバン ギア)<NEXT GENERATION CW>」だ。

「CW」は「Cab Wagon」の略で、端的に言えばスペース重視のミニバンと同義になる。X-VANはその自由で開放感にあふれた空間を生かして、家族や仲間と楽しい時間を過ごすためのさまざまな新機軸を提案している。もっと言えば、「これからのノア/ヴォクシー」をイメージしたスタディ的デルに他ならない。

BEVではなくハイブリッド搭載を前提としたボディは、全長・全幅が現行ノア/ヴォクシーと同等で、全幅のみ少しワイド化されている。助手席側は前後ドアともにスライド式で、観音開き。しかもBピラーレスの開口部は恐ろしく広く乗り降りがしやすい。助手席は180度後方に回転させることが可能になっている。

ライフスタイルで使い分けたいギア/コア/ツールの3態

画像: ライフスタイルで使い分けたいギア/コア/ツールの3態

「ギア」というサブネームどおり、タフさを強調するエクステリアアレンジと19インチタイヤによって高められた最低地上高が特徴で、いわゆるスタンダードなミニバンとは一線を画した濃厚な存在感を放つ。

ちなみに実車の展示はなかったけれど、このクロスバンには他に2タイプの車型が想定されているという。ひとつはよりすっきりとしたフォルムにクリーンな印象が強い「CORE(コア)」モデルで、もうひとつは趣味性を高めた「TOOL(ツール)」と呼ばれている。

ノアとヴォクシーは、見た目と質感で差別化が図られていたけれど、これからのファミリーミニバンには、さらなる「使い方の多様化」に適応した、多彩な個性が求められることになるのかもしれない。

トヨタ車体ではほかにも、本邦初公開となる「グローバル ハイエース」がはたらくBEVの新機軸を見せていた。もともとは海外ICE仕様をEV化したものだが、ニーズに応じてバッテリー増し増しや荷室増し増しといった使いやすさのバリエーションを選ぶことができるという。デジタライズされたインターフェイスやバイワイヤのシフトなど、細部で未来感を感じさせるところも魅力だろう。

画像: 輸出仕様のHIACEをベースにEV化。日本向けの新型ハイエースと勘違いされないように「GRAND HIACE」と名付けた、と聞く。

輸出仕様のHIACEをベースにEV化。日本向けの新型ハイエースと勘違いされないように「GRAND HIACE」と名付けた、と聞く。

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