トヨタが目指すクルマの「マルチパスウェイ」は、電動化を核とするパワートレーンの多様化だけではなかった。ジャパンモビリティショーでは、トヨタ流の「遊び心の多様化」につながりそうな、さまざまな提案を公開中。使い倒す愉しさを追求したコンセプトモデルは、カヨイバコだけではなさそうだ。

キャンプよりもっと気軽にマイルームをコーディネイト

画像: JUNOのアレンジメントの一例。これはテレワークをイメージした仕様だが、海辺に停めてこんな「お部屋」から絶景を眺めつつアイデアを練れば、良い仕事ができそうだ。

JUNOのアレンジメントの一例。これはテレワークをイメージした仕様だが、海辺に停めてこんな「お部屋」から絶景を眺めつつアイデアを練れば、良い仕事ができそうだ。

東展示棟8ホールを丸っとキャンピングカーが占拠している「JAPAN MOBILITY SHOW 2023 Camping Car Area by JRVA」では、トヨタ社内で事業化が検討されているレジャー系カスタマイズの提案が一見の価値あり。

ハイエースをベースとしたモデルたちも面白いのだが、とくに気になったのがシエンタを気軽にマイルーム化することができる「JUNO」というカスタムブランドだった。

「居心地をデザインするあたらしいモビリティ」を謳うJUNO流アレンジは、ベースとなるシエンタの後席をとっぱらって2シーター化(4ナンバーに要変更)するところから始まる。そこに車内の形状にフィットするようにデザインされたアタッチメントボードを取り付ける。

そのうえで、お好みの「マイルームパーツ」を選び、コーディネイトしていくのが楽しい。アタッチメントパーツにソファとかクッションとかテーブルとかサイドボードとかを組み合わせていくうちに、いかにも居心地のよさそうなくつろぎの空間ができあがる。

リビングだけでなく、リモートワーク的セレクトなど、コーディネイトはお好み次第。パーツの着け外しが気軽にできるので、本当にその日の気分や行先での過ごし方に合わせて、ちょちょいとアレンジすることができるという。

水素を身近に感じさせてくれる「おいしい」デモ

画像: メディア向けのプレスデーでは、ピザや焼き野菜をふるまってくれた「水素調理実証レストラン(仮)」。一般公開日は場所を変えて、クロワッサンを焼いてくれるそうだ。

メディア向けのプレスデーでは、ピザや焼き野菜をふるまってくれた「水素調理実証レストラン(仮)」。一般公開日は場所を変えて、クロワッサンを焼いてくれるそうだ。

JUNOは、事業化そのものが2024年からを予定していることから、今回の展示はあくまでお披露目なのだとか。とはいえ、シエンタのような比較的小ぶりなミニバンでもそのスペースを生かしたマイルームが自在に作り出せるというアイデアには、ちょっとときめいてしまった。

EVではない新事業の「芽」という目線では、東ホール裏手に水素ガスを使ったオーブンを設置、調理した野菜焼きやピザをふるまう「試食体験ブース」にも驚かされた。実はこれ、2022年10月に発表されたトヨタとリンナイとの共同開発による、水素を燃焼させて行う調理(以下、水素調理)のデモ。将来的にはWoben Cityなどでも予定されている実証の一環だという。

燃焼時にCO2を排出しない水素ガスのメリットを「新たな食の体験」として提供し、カーボンニュートラルの貢献を目指す事業だが、単にエコなだけではないメリットが水素調理にはあった。スチーム効果によって素材の良さを引き出すことができる=シンプルな味付けでも十分美味しい、ということが実証されたのだ。

お世辞抜きに地産地消に持ってこいな取り組みだと感じたが、今後はスーパー耐久シリーズなどでも出店を検討しているとのこと。今どきはクルマだけでなく食でもサスティナビリティが大命題となりつつあることを、初めて実感した。

環境に優しくしかもおいしい水素調理には、今はちょっと遠い存在に感じられる水素という資源を、身近で役立つ存在として実感させてくれる効果が期待できる。ちなみにこのブース、ピザではないけれどクロワッサンを焼いて提供するスポットとして一般公開日にも登場するというから、JMSに訪れたおりにはぜひご賞味あれ。

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