1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、マクラーレン P1だ。

マクラーレン P1(McLAREN P1:2013〜2015)

画像: サイズ的にはMP4-12Cより8cmほど長く4cmほど幅広いがホイールベースは同じ。車高は10mmほど低い。

サイズ的にはMP4-12Cより8cmほど長く4cmほど幅広いがホイールベースは同じ。車高は10mmほど低い。

2012年のパリ モーターショーでワールドプレミアされたマクラーレン P1は、MP4ー12C、MP4ー12C スパイダーに続く、マクラーレン オートモーティブ第3のモデルだ。「P1」という車名はレースのピットサインで使われる「ポジション(Position)1」の略、つまり第1位に由来している。

マクラーレンはF1グランプリでも1981年に世界初のカーボンファイバー製マシン「MP4/1」を開発し、1993年には世界初のオールカーボンファイバー製ボディを開発するなど、カーボンファイバーテクノロジーの第一人者として知られる。このP1で採用されたカーボンファイバー製のモノコック「モノケージ」は、ルーフ、ボディ下部、ルーフシュノーケル、エンジンエアインテーク、バッテリーおよび電源ハウジングを含む重量はわずか98kgという、ロードカー史上最軽量レベルのボディ構造を誇った。

そのスタイリングは複数の動物からインスピレーションを受けたもので、とくに素早く動くことができるチーターに雰囲気は近いとしている。戦闘機を彷彿とさせるデザインのグラスキャノピーも特徴的だ。もちろん、前ヒンジで上方に開くディヘドラルドアも採用している。

エンジンはMP4ー12Cに搭載された3.8LのV8 DOHCツインターボをベースに、最高出力737ps/最大トルク720Nmにまでチューン。これに179psと260Nmを発生する電気モーターを組み合わせたハイブリッドとし、システム総合で最高出力916ps、最大トルク900Nm、0→100km/h加速は3秒未満というハイパフォーマンスを誇った。バッテリーはコクピットの後ろに搭載され、スロットルOFF時にエンジンにより充電されるが、減速エネルギー回生は行われていない。外部充電も可能となっていて、空の状態から2時間でフルチャージできる。

トランスミッションは7速DCT。タイヤはピレリと共同開発したPゼロ コルサ。ブレーキには曙ブレーキ工業製を採用していた。世界初のハイパーPHVとなったマクラーレン P1は375台の限定生産で、日本での車両価格は消費税込みで9661万5000円だった。

画像: インテリアにもカーボンファイバー製マテリアルを多用し、センターコントロールユニットは軽量化のため一体成形されている。

インテリアにもカーボンファイバー製マテリアルを多用し、センターコントロールユニットは軽量化のため一体成形されている。

マクラーレン P1 主要諸元

●全長×全幅×全高:4588×1946×1188mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1395kg(乾燥重量)
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ+モーター
●総排気量:3799cc
●エンジン最高出力:737ps/7500rpm
●エンジン最大トルク:720Nm/4000rpm
●モーター最高出力:179ps
●モーター最大トルク:260Nm
●システム最高出力:916ps
●燃料:無鉛プレミアム
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/35ZR19、後315/30ZR20

画像: amzn.to
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