ハンドリングレスポンスの良さと、正確性の高さが持ち味
タイヤの世界市場におけるビッグスリーの一角、グッドイヤーは2023年に創業125周年を迎え、そのセレモニーをマレーシア・クアラルンプールで開催した。
会場では、タイヤセンサーから荷重や路面などの情報を得るコネクティッド技術や、状況に応じて形状を変化させるトリプルチャンバータイヤなど、未来の技術が展示されていたほか、ハイパフォーマンスタイヤの最新モデル「イーグルF1 アシメトリック6」や、オールマイティな性能の「アシュアランス・マックスガード」など、4つの新製品も公開された。
2日目は、F1をはじめとする国際レースが数多く開催されてきたセパン・インターナショナル・サーキットに会場を移して、新製品タイヤの試走会が開催された。ここではドライ路面だけでなく、ウエット路面でのスラロームやブレーキング性能などを多方面からチェック、クルマを乗り換えての比較もすることができた。
その中でも注目は日本市場での発売も決まっているイーグルF1 アシメトリック6の走行性能だろう。255/35R19サイズを装着したメルセデスAMG CLA45Sでのハンドリングテストで感じたのは、路面をしっかりと掴むようなグリップ感触の良さだ。
ハイパフォーマンスモデルによる最高出力421psのパワーに負けないタイヤグリップを安定して発生させてくれる。とくにフロントの外側タイヤに大きな負荷がかかるような、オーバースピード気味にコーナーへ突っ込んでいったときも、フロントがアウト側へ逃げることなく、ハンドルを切った分だけノーズをイン側へ向けてくれる頼もしさを持っている。
グリップの良さはフロントだけではなく、リアタイヤの動きにも現れていた。コーナリング中にアクセルペダルを踏み込んでグリップ限界を越えたとしても、急に滑り出すことはなく、穏やかな挙動変化により落ち着いてドライビングに集中できるのだ。
一方で、高速走行中にハンドルを左右に素早く切ったときでも、舵角に比例した動きを見せてくれた。しかも、その応答性はシャープ過ぎず、それでいてセンター付近のニュートラル感はしっかりと出ているので安定性も高い。
グッドイヤーの高い技術で作られたアシメトリック6の日本上陸は2024年春を予定しているというから、今から楽しみだ。(文:こもだきよし)