開幕戦はカタール・ドーハの砂漠の中のサーキットで行われる
WECの2024年シーズンは、カタール・ドーハのロサイル・インターナショナル・サーキットで行われる「カタール1812km」で幕を開ける。カタールでWECのレースが開催されるのは初めて。このレースは1812kmという距離で争われるが、それはカタールの建国記念日(12月18日)にちなんで定められたもので、レースは10時間以内に制限される。
ロサイル・インターナショナル・サーキットは、カタールの首都ドーハから北へ約35km、砂漠の中に位置するレーシングコース。1周5.419kmのコースを時計回りに16のコーナー(左コーナー6、右コーナー10)が配置され、メインストレートは1068mと長く、その後のターン1が最大のオーバーテイクポイントとなる。
全体的には中高速コーナーが多く、タイヤに厳しいサーキットと言える。また、16コーナーのうち11が右コーナーであることから、とくに左フロントにストレスが加わる。
決勝レースは土曜日11時にスタートするが、この時期のカタールの気温は高く、海が近く風があることから砂が吹き込みやすく、路面はほこりっぽく、グリップは低いこともポイントとなりそうだ。
2024年WEC開幕戦カタール1812km タイムスケジュール
フリー走行1回目:2月29日木曜日12時20分〜(日本時間18時30分〜)
フリー走行2回目:2月29日木曜日17時30分〜19時(日本時間23時30分〜)
フリー走行3回目:3月1日金曜日11時〜(日本時間17時〜)
予選:3月1日金曜日16時〜(日本時間22時〜)
決勝:3月2日土曜日11時〜(日本時間17時〜
打倒トヨタに向けて、名だたるスポーツカーブランドが参戦
2024年のWECハイパーカークラスには、トヨタ、プジョー、フェラーリ、ポルシェ、キャデラックに加え、新たにランボルギーニ、BMW、アルピーヌなどそうそうたるメイクスが集結する。
昨シーズンはトヨタが6勝を挙げ、5年連続でのマニュファクチャラーズ/ドライバーズのダブルチャンピオンに輝いたが、ル・マン24時間ではフェラーリが優勝を飾ったように年々ハイパーカーによる争いは激化しており、今季は予断を許さない戦いが繰り広げられそうだ。
とくに、フェラーリはフェラーリAFコルセの2台とリシャール・ミルAFコルセ 1台の計3台体制、ポルシェはワークス2台とプライベータ−3台の計5台体制で参戦してくることから、トヨタの強敵となりそうだ。
さらにBMWがワークスチームを結成して2台の「BMW MハイブリッドV8」で参戦を開始。ランボルギーニはアイアンリンクスチームから「ランボルギーニSC63」で乗り込む。ワークスチームが2台の「アルピーヌA424」をで走らせるアルピーヌも台風の目になりそうだ。
開幕戦を制するのはどのチームか。シーズンを占う意味でもその戦いに注目が集まる。