レースカーや歴代モデルからインスパイアされた理念
これらのデザイン理念は、マクラーレンのモータースポーツにおける豊かな歴史と、最先端のハイパフォーマンス エンジニアリングによる賜物だ。
例えば、フラットで低いノーズ。これは、マクラーレンMP4/4など、伝説的なレーサーにより大成功を収めたF1マシンに採用されていたサイドエアインテークからのインスピレーションだ。
このデザインエレメントは、ロードカーのマクラーレンF1やそのLM、GTRモデルにも採用されており、フロントバンパー、ヘッドランプの真下に配置された大型のエアインテークや、マクラーレン750Sに採用されたインテーク一体型の「アイソケット」ヘッドランプが特徴的だ。
また、マクラーレンのシグネチャーデザインを決定づけるのは、パフォーマンスラインだ。この象徴的なショルダーラインは、マクラーレンを象徴するCan-Amマシンや、F1(ロードカー)、P1のフォルムから直接インスパイアされたもので、前後のオーバーハングが短く、前傾姿勢のプロポーションになっている。
F1から導入され、すべてのマクラーレン車に受け継がれているリアビューデザイン、オープンバックエンドは、放熱機能ももったマクラーレンの特徴的なデザインだ。直線的なグラフィックと水平方向に配置されたデザインは、よりワイド感と車高を強調し、レーシングカーのようなコンパクトなプロポーションを実現している。
そして、マクラーレンのレーシングDNAにインスパイアされた「ラップアラウンド」コクピットは、ドライビングにのみ集中することができる。スタイリッシュなインテリアデザインと、良好な前方視界のおかげで、圧迫感を感じることもない。
マクラーレン オートモーティブの最高デザイン責任者であるトビアス・シュールマンは、以下のように語っている。
「レーシングは私たちのDNAであり、美はパフォーマンスのあくなき追求から生まれます。私たちは60年にわたるマクラーレンの歴史に深くインスパイアされていますが、過去に安住しているわけではありません。私たちのデザインDNAは、マクラーレンの60年にわたるモータースポーツのヘリテージをベースに、革新的かつ超軽量スーパーカーへと昇華させます。新しい時代、新しいクルマ、さまざまなプロダクト、そして その中心にあるのはパフォーマンス by デザインなのです」
マクラーレンは、こうした個性的なビジュアルと最新のパワートレーンによってラインナップを拡充していく。レーシングカーとロードカーの歴史を引き継いだ、ニューデザインの次世代モデルの登場に期待したい。