移動もステイも、ウェルビーイングに彩られた時間
「ポルトガルにようこそ!」から始まった、新型レンジローバースポーツSVの海外試乗会。首都リスボンから少し南に下ったアレンテージョ、アルガルヴェ地方を巡るスケジュールの充実ぶりを見ているだけでも、「Performance Champion」の謳い文句は伊達ではないことが理解できます。
南ヨーロッパで開催されたドライブツアーは、オンロードあり、サーキットランあり、オフロードあり。はては5つ星ホテル宿泊&美食堪能に至るまで、すべては「SV(Special Vehicle)」の世界観を濃厚かつ深々と味わうために用意された、最高の「テストコース」・・・いや、たとえるなら「テイスティングフルコース」でしょう。
日本から選ばれしモータージャーナリストのひとりが、大谷達也氏。本誌での紹介はポルティマオ・サーキットでの全開走行が中心ですが、プログラムの概容とオフィシャル画像の数々を見ながら改めて担当が思ったのは「おんなじコースでSVを堪能してみたい!」という率直な願望でした。
旅のスタート地点となったのは、高級シューズブランドを生み出したフランス出身のファッションデザイナー、クリスチャン・ルブタンが経営するHotel Vermelho Melides(ホテル ヴェルメーリョ メリデス)です。ホテル名は、村の名前であるメリデスと、ポルトガル語の「赤」を合わせたもの。ルブタンのシグネチャーモチーフを反映しているそうです。
ポルトガルの建築家Madalena Caiadoや、スペイン風デザインの専門家であるPatricia Medina Abascalとともに、ルブタン自身が手掛けたという設えとともに、ギリシャ出身のマルチメディアアーティストであるKonstantin Kakaniasが手ずからペイントした壁など、調度のすべてが芸術的で多彩なメッセージを発信しているようです。
建築に当たっては、かつては宿泊施設などなかった小さな村の片隅、静かな海岸沿いの環境にも配慮しています。提供される料理は、地産地消を基本としたガストロノミー(食事を通して文化との関係性、土地の社会性を考察すること)。暖房を含む空調のすべてが地熱エネルギーを使用しています。
二泊目の宿泊場所には、プライア ド カナル ネイチャーリトリートが選ばれました。7万4000ヘクタールという広大な国立公園の中に設けられた、220ヘクタールのリゾートエリアは、さまざまな形で「ウェルビーイング」へのアプローチが図られています。
環境への配慮に加え、リラックス、疲労回復、体力の向上など、トータルで心と身体のコンディションを整えてくれる取り組みは、新しいレンジローバー スポーツSVがもたらす様々な価値に、通じるものがあると言います。
旅の最終目的地は、再びメリデス至近のヴィラ。Villa Boa Vistaはメリデスの丘陵地帯を見下ろすパノラミックな景色が、部屋の中から楽しめます。田園風景と居住空間のシームレスなつながりもまた、くつろぎというラグジュアリー体験を象徴するものです。
こうしたさまざまな「カルチャー」としての側面を旅の中で実感しながら、試乗はAutódromoInternacional do Algarve(アウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ)、通称ポルティマオ・サーキットでクライマックスを迎えます。