年に1回更新の時期が来る自動車保険。このタイミングで見直しを考える方も多いのではないでしょうか。

自動車保険の見直しには大きく2つの意味合いがあります。一つは、保険料の節約を目的とした見直し。もう一つは、必要な補償を受けられるよう、穴がないか見直すという意味合いです。

どちらも大切で、今後の知識としても頭に入れておいて損はないです。この記事では、自動車保険の見直しポイントや、見直しが必要になるタイミングについてお伝えします。

画像1: 自動車保険の見直しポイントやタイミングは?適切な見直し方法を紹介
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自動車保険が高いと感じた場合の見直しポイント

何気なく加入した自動車保険。思えば「こんなに高かったっけ?」と感じる瞬間があるかもしれません。「もう少し節約できたらいいのに」と思っている場合は、以下のポイントを見直すと、保険料の節約につながりやすいです。

  • 車両保険
  • 保険会社
  • 運転者の範囲・年齢条件
  • 特約(オプション)

1.車両保険

車両保険をつけるかつけないかでは、自動車保険料は大きく異なります。おおよそ倍程度保険料が違ってくるケースが多いので、見直しポイントの中でも、インパクトがかなり大きい項目です。

車両保険を外して良い場合とは?

車両保険を外しても良いようなケースは、例えば以下のようなケースです。

  • 古いクルマの場合
  • 少しの傷なら保険を使わず直す場合
A.古いクルマの場合(クルマの時価額が低い場合)

そもそも、車両保険の保険金は、契約時のクルマの時価相当額が限度です。年式がかなり古いクルマだと、時価相当額も著しく低下している場合があり、このような場合は車両保険をつける必要性は低くなっていると考えられます。

例えば10年落ちのクルマは時価相当額も低くなっているで、車両保険を外すかどうか、選択肢に含めても良いでしょう。

実際にご自身の保険証券を見て、クルマの時価額がいくらに設定されているか見てから決める形でよろしいかと思います。

B.少しのキズなら保険を使わず直す場合

スリ傷等に備え車両保険をつけていた方も多いと思いますが、それはやや過剰かもしれません。

もちろん、スリ傷やガリ傷の修理で数万円以上の修理費がかかる場合、車両保険があれば安心ではありますが、本当にその修理費を車両保険で賄うか、よく考えてください。

そもそもこうしたケースの修理に車両保険を使うと、3等級ダウン
となります(一部の事故を除く)。特に、ある程度貯蓄に余裕があれば、自費で直そうと考える方も多いのではないでしょうか。

また、ちょっとしたキズならそのまま放置するようなケースも少なくないと思います。「運転が心配でちょっとしたキズが心配」という場合は、本当に車両保険を使ってキズを直すことになりそうか、よく考えてから車両保険に加入するようにしましょう。

車両保険が必要なケースとは?

逆に、車両保険が必要なケースを整理しましょう。これに当てはまらない場合、車両保険を外すという選択肢も有力です。

A.ローンでクルマを買った場合

ローンでクルマを買った場合は、車両保険に加入し続けることを強くお勧めします(残債が少ない場合は除く)。これは言ってしまえばセオリーのようなもので、逆に車両保険に加入しないと、もしもの時が心配です。

というのも、仮にクルマが事故や故障でダメになってしまった場合、クルマは手元にないのにローンの支払いだけが残り続けるというケースに陥ってしまいます。このような状況はなんとしても避けたいと思っている人がほとんどなのではないでしょうか。

このケースを想定しておくと、ローンでクルマを買った場合は車両保険に加入する必要性は高いと考えられます。

B.生活にクルマが不可欠な場合

生活にクルマが不可欠な場合も、できれば車両保険は外さない方が安心です。特に、すぐに買い替え費用を捻出できる見込みがない場合は、より必要性が高いと考えられます。

生活にクルマが不可欠な場合は、クルマがダメになってしまった場合、必ず買い替えを行うことになるかと思いますので、そのために備えておくのは決してムダではありません。

車両保険の見直し方法

車両保険の見直し方法は以下3つあります。

  • 車両保険を外す
  • 一般型からエコノミー型に変更する
  • 免責金額を上げる

上から順に見込める効果が高くなっています。順に説明しましょう。

A.車両保険を外す

言葉の通りですので、もはや説明不要かと思います。車両保険の一般型のあり・なしでは、保険料がおおよそ倍程度変わってくるイメージです。

先ほど紹介した必要性が低いケース、高いケースを鑑み、自分に車両保険が必要か一度しっかり考慮してみるといいでしょう。

B.一般型からエコノミー型に変更する

「自損事故は補償の対象外でもいい」という場合は、一般型からエコノミー型に変更するという選択肢もあります。一般型をつけている場合から2割程度保険料が安くなるようなイメージです。

エコノミー型は一般型車両保険と比べ、補償対象となる事故が絞られますが、以下で十分という方はエコノミー型に変更するのも選択肢です。

エコノミー型一般型
他車との衝突・接触
飛来中または落下中の他物との衝突
盗難
落書き・いたずら
火災・爆発
台風・竜巻・洪水・高潮
当て逃げ×
単独事故×
転落・墜落×
自転車との接触×
地震×
噴火×
津波×
C.H5 免責金額を上げる

最後、効果としては上に紹介したものより小さいものにはなりますが、車両保険の免責金額を上げるという方法もあります。

一般的に「1回目5万円:2回目5万円又は10万円」というところでしょうか。0円-0円にしていた場合よりは、幾分か保険料の節約になりますので、検討してみてはいかがでしょうか。

2.保険会社

続いても大きな節約効果を見込みやすい、保険会社の見直しです。特にこれまで代理店型自動車保険(ディーラーや保険代理店で加入した保険)に加入していた方は、ダイレクト型自動車保険に乗り換えることで大きな保険料カットが見込めます。

ダイレクト型自動車保険のあまりの安さに、漠然とした不安感を覚える方もいるようですが「補償が降りにくい」などということはなく、補償内容の仕組みは代理店型もダイレクト型も変わりません。保険の内容については安心していただければと思います。

大きな違いは、保険の担当者がつくかどうかです。代理店型はショップの担当者がつきますので、更新・プラン変更等の手続きから保険を使う際になった場合の保険会社とのやり取りまで全て代理店に丸投げできます。手放しで保険のことを任せられるのが代理店型の魅力です。

一方でダイレクト型はネット加入が主となっており、代理店の担当のようなものはありません。保険料が安い代わり、手続きどうは自分で行うスタイルになっています。

とはいえ、わからない点があればカスタマーサポートに相談できますし、大きな不便ではありません。この点は正しく理解し、代理店型とダイレクト型を使い分けていただければと思います。

当然、節約という目的を達成するには、ダイレクト型自動車保険を選んだほうが有利です。

また、代理店型、ダイレクト型の中でも、保険料の違いはありますので、更新の時期に一度各社の見積もりを取ってみることは有効です。一括見積もりを使えば、簡単に各社の保険料が比較でき、自動車保険の一括見積もりに関しては電話営業もないので、気軽に利用できる点が魅力です。ぜひ積極的にこうしたツールを利用してみてください。

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3.運転者の範囲・年齢条件

「もしかしたら、自分以外も運転するかもしれない・・・」このようなケースを見越し、運転できる人の範囲を過剰に広げていませんか?

万が一のケースを想定し、先回りした補償内容に設定している点はとても立派ですが、それほど頻発しなようなケースであれば、この部分は見直しの対象にできます。

まず、年間にほとんど他人が運転するようなケースが発生しない場合、この場合は「1日自動車保険(各社商品名が異なります)」を活用した方が合理的です。知人から同居の家族まで幅広い適用ができますので、こちらを利用する選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。

ですから、運転者の範囲は頻繁に運転する人のみに限定する形が理想です。

補足ですが、年齢条件に「別居の家族」を含める必要はありません。進学や就職で別居しているお子さんが新しく免許を取られ、それに備え年齢条件を引き下げようと考える方もいらっしゃいますが、年齢条件は同居の親族で最も若い運転者に適用されるものです。この辺、混同しやすいので、改めて整理しておきましょう。

4.特約(オプション)

特約は個々人のライフプランに合わせ保険をアレンジできる魅力的なオプションではありますが、やはりつけすぎは節約という面では禁物です。

過剰と思われる特約は削り、できるだけシンプルな設計にすると、自動車保険の節約につながります。代理店担当者に紹介されるがまま、特約がたくさんついてはいませんか?

・対人

・対物

・車両保険

・人身傷害保険

これがあれば最低限の補償は受けられます。これに、本当に必要なものだけを特約として上積みすることをこころがけましょう。

自動車保険の見直しをすべきタイミング

続いて、自動車保険の見直しをすべきタイミングについてお伝えします。ライフスタイルの変化により、補償を受けるために自動車保険の設定に変更が必要だったり、節約するチャンスがあるシチュエーションは様々あります。

以下に当てはまる場合は、自動車保険の見直しを考えてみましょう。緊急性が高いものについては、速やかに保険会社、または代理店に連絡し、設定を変更するようにしましょう。

1.家族が引っ越した

家族、または引っ越した場合は運転者の範囲や年齢条件を変更した方がいい場合があります。

運転者の範囲についてはクルマの使い方の実態に合わせて正しく設定してください。

また、年齢条件には「別居の家族」を含める必要はありません。特にお子さんなど若い世代が自立し、別居になった場合、年齢条件は親世代まで引き上げられる場合があると思いますので、その際は保険料節約が見込めます。逆に、お子さんが戻ってきた場合などは、年齢条件を同居親族の一番若い方に合わせる必要があります。

家族全員で同じクルマを使っていた場合、誰かの引っ越しによって年齢条件の変更が必要になる可能性がある旨は頭に入れておきましょう。

2.クルマを使う距離が変わった

ダイレクト型自動車保険を使っている場合、年間走行距離が保険料算出の一つの要素となっていますので、適切な距離に設定する必要があります。

「引越しや勤め先の変更で通勤距離が変わった」などという場合は、正しく設定するようにしましょう。

3.クルマを使う頻度が変わった

クルマを使う頻度が変わった場合、「日常・レジャー」「通勤・通学」の枠組みが変わる可能性があります。

境目は年間平均で見て「月15日」で、月15日以上使用する場合は、用途に関わらず「通勤・通学」で設定する必要があり、月15日未満の場合は、「日常・レジャー」の設定でOKです。

この辺りは知識がないと正しく設定しづらいところかと思いますので、上記の通り適切に設定しましょう。

4.クルマを買い替えた

クルマを買い替えた際は、車両保険関連で変更を加えた方がいい可能性がありますので、慎重に検討しましょう。具体的には以下の通りです。

  • ローンでクルマを買った場合は、できる限り車両保険に加入
  • 車両新価特約の付帯があるとより手厚い

A.ローンでクルマを買った場合は、できる限り車両保険に加入

買い替えたクルマがローン購入の場合、この場合はよほど時価相当額が低い場合でない限り、車両保険には入っておいた方がいいでしょう。

もし全損になるような事故や故障が起きてしまった場合、クルマだけを失い、ローンの支払いは残り続けてしまいます。このような事態を避けるためにも、ローンでクルマを買った場合は車両保険にはできるだけ加入するようにしましょう。

B.あると嬉しい車両新価特約

さらに、新車等で新車価格が高いクルマの場合、車両新価特約の付帯も合わせて検討するとさらに安心です。

この特約はどのようなものかというと、新しく購入した新車が全損、また車両時価額の50%以上の損害を受けたときに、新車価格相当額が補償されるというものです。

新車購入から数年で全損になるようなケースも、やはりあります。おそらく年間1万円程度以下で済むかと思いますので、万が一に備えてつけておくと全損時に安心です。

5.誕生日を迎えた

自動車保険には年齢区分があり、自動車保険各社により異なりますが、

  • 全年齢(20歳以下)
  • 21歳以上
  • 26歳以上
  • 30歳以上
  • 35歳以上

このように、年齢が上がるにつれステージが変わる境目があります。

例えば、自分しか運転しないのに、年齢条件を若いままにしておいては損です。各社の年齢区分を確認し、適切な年齢区分での設定になっているか確認しましょう。

6.ゴールド免許になった

保険会社各社ではゴールド免許割引を設けていることが多いです。ゴールド免許になった契約から見て、次回の更新の際に適用できる場合が多いので、更新の際は忘れずに申請しておきましょう。

7.2台目のクルマを買った

ご家族用などで2台目のクルマを買った場合は、補償の重複が発生することがあります。ご家族のクルマの保険一つで家族全体をカバーできるものもありますので、この辺は注意しましょう。

以下、重複しやすい特約の例です。

  • 弁護士費用特約
  • 人身障害車外事故担保特約

このような特約は家族の分までカバーできる内容になっているので、重複がないよう注意してください。

8.クルマが古くなった

クルマ購入時の名残で車両保険に加入し続けている方は、そろそろ見直し時期かもしれません。

繰り返しになりますが、車両保険は契約時の時価相当額が限度です。時価相当額が著しく低下している場合は、車両保険をつける旨みが薄くなっているので、大きな見直しポイントになります。

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自動車保険の見直しをする際の注意点

最後に、自動車保険の見直しをする際の注意点についてお伝えします。以下を意識すると良いかと思います。

  • 必要な補償まで削らない
  • 補償の重複がないかよく確認する
  • 見積もりの手間を惜しまない

1.必要な補償まで削らない

保険料の節約ばかりに目がいきすぎて、必要な補償まで削ってしまうのは本末転倒です。自動車保険は万が一に備えるためのものですので、最低限の保証は残しておくようにしましょう。

【最低限のプラン設計例】

  • 対人・・・無制限
  • 対物・・・無制限
  • 人身障害保険・・・3000万円程度
  • 車両保険・・・必要に応じて
  • 特約・・・弁護士費用特約など、必要に応じて

2.見積もりの手間を惜しまない

保険料節約の目的で見直しをする場合は、見積もりの手間は惜しまない方がいいです。

特に乗り換えで保険料節約を狙っている場合は、より多くの保険会社の見積もりをとった方が有利です。やや面倒かもしれませんが、さまざまな損保の見積もりを見比べるようにしましょう。

自動車保険の見積もり入力は、やや入力項目が多いので、一括見積もりを利用すると非常に楽です。自動車保険ジャンルに関しては、一括見積もり依頼をしても、猛烈な電話ラッシュを受けることはありません。そういう事情もあるので、こうしたツールを賢く利用し、より多くの見積もりを取るようにしましょう。

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まとめ

自動車保険は時間経過やライフスタイルの変化により、適切な内容も変わってきます。ダイレクト型の場合、更新の際は自分でプラン設定を変更する必要があるので、特に注意が必要です。

本記事の内容を参考に、合理的な保険料、そして適切な補償内容になるよう、今一度ご自身の自動車保険を見直してみましょう。

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