またも無風のフェルスタッペン、独走で今季4勝目
土曜日午前に今季初開催のスプリントを制し、午後には予選でポールポジションを獲得した王者フェルスタッペンの勢いは、予想通り日曜日になっても変わらなかった。
5年ぶりの開催となった中国GPは2回のセーフティカーが出る荒れた展開となったが、フェルスタッペンは最初のスタンディングスタートと2回の再スタートをいずれも無難に決め、タイヤ交換のタイミングによるポジションダウンも難なく跳ね返す圧倒的なレースペースを披露。
2回目のセーフティカー後、残り25周での勝負となった”最終スティント”でも、瞬く間に後続を引き離し、最終的には13秒以上の大差をつけてチェッカーを受けた。
「まるでレールの上を走っているように、車はスムーズで素晴らしかった。どのコンパウンドでも問題なかったよ」とゴール後も上機嫌だったフェルスタッペンは、最速ラップこそ獲得できなかったものの、この週末で33点を獲得。3位となったランキング2位のチームメイト、ペレスとの差を25点に広げている。
タイヤ戦略が奏功、ノリスが自身最高位タイの2位でフィニッシュ
前日のスプリントではポールポジションからスタートしながら、スタートでフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に押し出される形でチャンスを逸したランド・ノリス(マクラーレン)が、決勝レースで奮闘した。
鍵となったのはミディアムタイヤでの第1スティントをライバルより引き伸ばしたこと。24周目に狙い通りにセーフティカーが出ると、タイヤ交換によりタイムロスを最小限に抑えて2番手でコースに復帰。
2回目のセーフティカー後のレース後半は、同じ戦略のシャルル・ルクレール(フェラーリ)や、そのルクレールを抜いて追ってきたペレスを寄せ付けずに2位フィニッシュ。レース後は「フェラーリにはやられると覚悟していたけど、思ったより遅かったね」と笑顔を弾けさせた。
角田裕毅(RB)は最初のセーフティカー明けのリスタートで13番手に上がったが、その後、マグヌッセンに追突される形でリアにダメージを負い、ここでリタイア。2回目のセーフティカーの原因となってしまった。
次戦第6戦マイアミGPは、5月3日のアメリカ・フロリダ州マイアミ・ガーデンズのマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開幕。2戦連続でスプリントレースフォーマットで開催され、5月4日土曜日にスプリント、5月5日日曜日に決勝が行われる。(文:新村いつき)