この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第56回目は、高性能コンパクトモデルとして注目を浴びた、日産ダットサン・サニークーペ1200GXの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

カローラと熾烈なバトルを繰り広げた2代目サニーのスポーツモデル

「となりのクルマが小さく見えます」という刺激的なコピーとともに、昭和45(1970)年1月にフルモデルチェンジして登場したのが2代目サニーのB110型だった。エンジンも前モデルの1000ccから1200ccに排気量アップ、「豊かさのイメージ」を強調するニューサニーに生まれ変わった。

画像: サニーは先代モデルに比べると全長が55mm(ホイールベースは20mm)、 全幅は70mm、全高で40mm (クーペ)とひとまわり大きくなり「となりの車が小さく見えます」のキャッチフレーズで話題となった。「となりの車」はもちろん好敵手・カローラを指していた。

サニーは先代モデルに比べると全長が55mm(ホイールベースは20mm)、 全幅は70mm、全高で40mm
(クーペ)とひとまわり大きくなり「となりの車が小さく見えます」のキャッチフレーズで話題となった。「となりの車」はもちろん好敵手・カローラを指していた。

このB110系サニーに、同年4月から追加されたのがSUツインキャブの高性能版サニーの1200GXである。エンジンは4気筒、OHV、1171cc、68psのA12型をチューン、SUツインキャブと圧縮比アップで最高出力を83psとしたA12型ツインキャブ仕様を搭載。GXは4ドアセダンと2ドアクーペのそれぞれ最上級グレードとして設定された。

セダンで710kg、クーペで705kgという軽量ボディと1200ccツインキャブ仕様のA12型との組み合わせで、最高速は160km/h、0→400m加速16.7秒をマークした。フロントグリルにGXのエンブレムがつき、タコメーターなどが標準装備となるが、そのほかはGLとほとんど変わらなかった。

画像: 名機の呼び声が高いA12型エンジン。OHVだが、DOHC並みに7000rpmという高回転まで軽快に吹け上がった。

名機の呼び声が高いA12型エンジン。OHVだが、DOHC並みに7000rpmという高回転まで軽快に吹け上がった。

サスペンションはフロントがストラット、リアはリーフリジッド。フロントにディスクブレーキを採用する。

昭和47(1972)年8月、 セダン、クーペに1200GX-5を新設。GXにレーシングパターン(1速が左下)の直結5速(5速のギア比が1.000)トランスミッションを採用したモデルである。ファンも多く、「もっともサニーらしいサニー」と言われたのがB110系の1200GXであった。

日産ダットサン・サニークーペ1200GX(B110型)諸元

●全長×全幅×全高:3825×1515×1350mm
●ホイールベース:2300mm
●車両重量:705kg
●エンジン型式・種類:A12型・直4OHV
●排気量:1171cc
●最高出力:83ps/6400rpm
●最大トルク:10.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.00-12 4PR
●新車価格:63万円

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