フォーミュラEでは「抜ける」モナコに 美しい街並みでオーバーテイクの嵐
「ここは抜けないモンテカルロ」
1992年、F1ブーム真っ只中であったこの年のF1モナコGPは伝説のレースとして今も語り継がれている。当時開幕5連勝という新記録を打ち立て、悲願のモナコ制覇に挑んだナイジェル・マンセルとモナコ4勝を誇る3度のワールドチャンピオンで、アイルトン・セナの熾烈でフェアで劇的な死闘が繰り広げられたからだ。
この記念すべき50回大会の実況を担当したのがフジテレビの三宅正治アナウンサー。彼が口にした上記の文言はF1ファンにとってあまりに有名な名実況である。モナコ=抜けないというのが共通認識だが、フォーミュラEでは話は別。F1では考えられないくらいのオーバーテイクが行われているのだ。
フォーミュラEはF1に比べマシンがコンパクトであることや、普段市街地でのレースが主なフォーミュラEのドライバーにとって追い抜きしやすい部類のコースと言える。昨年のモナコE-Prixではジャン・エリック・ベルニュ(DS PENSKE)は22番グリッドスタートからポジションを15もあげ7位でフィニッシュを果たしている。レース全体で言えば100回以上オーバーテイクが繰り返されたほどだ。
2022年からF1と同じフルコースでの開催になったこともオーバーテイクが増えた要因の一つである。追い抜き可能なモナコでのレースはこれまでにないエキサイティング。F1をはじめとする他のカテゴリーのみ追いかけているという方も、フォーミュラEのモナコE-Prixは違った面白さが味わえるのではないだろうか。
そんなフォーミュラEのモナコE-Prixだが、レースに先立ち、ジャガーは同カテゴリーに2030年まで参戦を継続することを発表した。Tokyo E-Prixでも日産が継続参戦することを発表したが、それに続く長期の参戦発表となった。
また、シーズン13からは新しいレギュレーションとともに、新しくGen4もデビューすることが決まっているが、木曜日には来季から2シーズンにわたって使用されるアップグレード版「Gen3 EVO」も発表されている。