巧みなチームプレイでジャガーチームがワンツーフィニッシュ
決勝前に行われた予選では、ポイントランキング首位のパスカル・ウェーレイン(TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM)がポールポジションを獲得。フロントローにはストフェル・バンドーン(DS PENSKE)が続いた。3番グリッドにはニック・キャシディ(JAGUAR TCS RACING)、エバンスが4番手とジャガー勢が2列目を独占している。
29周のレースはポールシッターのウェーレインがトップのままターン1へ侵入。バンドーンの後ろではエバンスが3位に上がった。トップのウェーレインは上位勢で真っ先にアタックモードを使用し5番手に後退。そんな中、4周目のプールサイドシケインでエドアルド・モルタラ(MAHINDRA RACING)がクラッシュしたことによりセーフティカーが出動した。この時点でトップのバンドーンはSC出動直前にアタックモードを使用しており、ポジションをキープしたままアタックモード1回目を消化。一方、2番手と3番手につけるジャガーの2台はまだアタックモードを消化できずにいる。
9周目にレースが再開されると、首位バンドーンが翌10周目に2度目のアタックモードを使い義務を消化し3番手に後退。これでワンツー体制になったジャガーはチームプレイを敢行した。2番手のキャシディがペースを下げ後続を抑え込み、十分なマージンを得たエバンスがポジションを下げることなくアタックモードを消化したのだ。
2回の消化義務を終えたエバンスは14周目に首位の座をキャシディに明け渡し、今度はキャシディに対して同じサポートを行っていく。このジャガー陣営の策略に影響されたライバル勢は接近戦を強いられることになり、至る所で激しいバトルが展開された。
後続のバトルを尻目に各アタックモードを消化したジャガーの2台は、エバンスが再びトップに立ちレースをリード。
25周目のラスカスでニコ・ミュラー(ABT CUPRA FORMULA E TEAM)がストップしたことにより再びSCが出動となるもジャガーの優勢は変わらず。レースをコントロールしたエバンスとキャシディは最終盤になると後続を引き離し磐石の体制を築いてみせた。
ライバルに隙を与えなかったジャガー勢がワンツーフィニッシュでモナコ制覇。3位には1度目のSCをうまく使いながらもジャガーのチーム戦略に破れてしまったバンドーンが入っている。