RS 6 アバントシリーズの頂点を極めるモデル
限定車「アウディ RS 6 アバント GT」の源流をたどると、1989年登場のレーシングカー「90クワトロ IMSA GTO」と、2020年に製作された「プロジェクト RS 6 GTOコンセプト」にそのDNAを見ることができる。
1989年登場のレーシングカー「90クワトロ IMSA GTO」は、クワトロ、ハイパワーな5気筒エンジン、センセーショナルな外観で、1980年代末に北米のレーストラックを席巻した伝説のモデル。
一方、「プロジェクト RS 6 GTOコンセプト」はクワトロ誕生40周年を記念して、2020年にネッカーズルム工場の研修生グループ12名によって製作されたスペシャルモデル。研修期間中の才能あふれる若者の手によって、「90クワトロ IMSA GTO」からインスピレーションを得て製作された。
この「90クワトロ IMSA GTO」と「プロジェクト RS 6 GTOコンセプト」から着想を得て開発された「RS 6 アバント GT」は、まさにRS6アバントシリーズの頂点を極めるモデル。
そのパワーユニットは、アウディが「ネクスト パフォーマンス」と称する4L V8ツインターボで、最高出力は630ps、最大トルクは850Nmに到達。これはカタログモデルのRS 6 アバント パフォーマンスより、さらに30ps、50Nmもハイパワーとなっている。
駆動は最新鋭のクワトロシステムで、足回りには先進の可変コイルスプリング、アジャスタブルコイルオーバーサスペンション、ハイパフォーマンスタイヤ、専用スポーツディファレンシャルがおごられ、最高速は305km/h、0-100km/h加速は3.3秒と公表される。
「アウディ RS 6 アバント GT」は世界限定660台が生産されるが、日本導入はまだアナウンスされていない。
「90クワトロ IMSA GTO」は今もなお衝撃的な伝説のモデル
今回公開された「RS 6 アバント GT」と「90クワトロ IMSA GTO」のアメリカ・カリフォルニアでの撮影は、こうしたヘリテージを受けて実現したもの。
北米のレースを席巻してしまった「90クワトロ IMSA GTO」は今もなお衝撃的なモデルであり、現在4代目となった「RS 6 アバント」は米国でカルト的な人気となっていることからも、ナルドグレーの「RS 6 アバント GT」、 アルコナホワイトの「90 クワトロ IMSA GTO」「RS 6 アバント GT」が米国西海岸の自然を背景に走る様は大きなインパクトがありそうだ。
限定車「アウディ RS 6 アバント GT」 主要諸元
●全長×全幅×全高:5018×1951×1437mm
●ホイールベース:2927mm
●車両重量:2075kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ+48Vマイルドハイブリッド
●総排気量:3996cc
●最高出力:463kW(630ps)/6000rpm
●最大トルク:850Nm/2300-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:285/30ZR20
●最高速:305km/h
●0-100km/h加速:3.3秒
※EU準拠