2024年9月29日、ホンダウェルカムプラザ青山(東京港区)でモデューロ・ブランドの誕生30周年を記念した「Modulo 30th Anniversary スペシャルトークショー」が開催された。トークショーにはモデューロ開発アドバイザーを務める土屋圭市氏も特別参加、ホンダアクセスOBで元モデューロ開発統括の福田正剛氏、ホンダアクセス シビック用テールゲートスポイラー開発者の山崎純平氏とのセッションでは、ここでしか聞くことのできない興味深い開発秘話も飛び出し、悪天候にも関わらず集まった200名近いファンを喜ばせた。

純正ホイールブランドとして誕生して30年、バランスの良さが魅力

モデューロは、ホンダが販売する四輪車の純正用品を開発、生産するホンダアクセスのカスタムブランド。いわばホンダのワークスに近い存在で、「無限」ほどモータースポーツや過激な走りに特化せず、走りと乗り心地をバランスさせながら、それでいて市販モデルとは明らかにちょっと違う上質な特別感が味わえるブランドとなっている。

もともとモデューロ・ブランドは、ホンダアクセスの純正ホイールブランドとして1994年に誕生。その後、車両法の規制緩和やユーザーからの要望もあって、エアロパーツやサスペンションなどの機能部品に広がり、2013年には「Modulo X」というコンプリートカーを開発するようになった。

画像: モデューロの技術展示。アルミホール、エアロパーツ、サスペンションに関する30年の歩み、開発思想が解説されていた。

モデューロの技術展示。アルミホール、エアロパーツ、サスペンションに関する30年の歩み、開発思想が解説されていた。

モデューロの製品/コンプリートカーの特徴は、リムとスポークの剛性バランスを最適化してホイールをしならせることでタイヤの接地面圧を高めタイヤの性能を使い切る「剛性最適化」思想に基づいたアルミホイールや、日常の速度域でも体感できる空力を重視した「実効空力」思想で作り出されるエアロパーツ、普段の運転で普通の人が変化に気づく上質さを追求したサスペンションに代表されるように、数字やスペックではなく、乗る人の感性やバランスの良さを重視しているところ。

トークショーの中でも、「いくら良い数値が出ていても、やっぱりクルマは乗らないとわからない」「数値よりも現場での感覚を大切にする」「1日のテストにいくつもセットを用意して徹底的に走り込む」「時には危険と思えても、走り込んで鍛えていくのがモデューロのやり方」「数値は重要だけど、数値なんかあてにならない」といった話が何度も飛び出し、ファンを驚かせた。

画像: 当日は悪天候にも関わらず、「Modulo 30th Anniversary スペシャルトークショー」に200名近いファンが集結、立ち見も出る盛況ぶりだった。

当日は悪天候にも関わらず、「Modulo 30th Anniversary スペシャルトークショー」に200名近いファンが集結、立ち見も出る盛況ぶりだった。

2024年11月中旬に発売予定の新型シビック RS テールゲートスポイラーでは、ウイング下面のギザギザしたシェブロンの配置が空力に大きな効果をもたらすこともわかりやすく説明された。

また会場内には実効空力第1弾の「スポーツ モデューロ シビック タイプR」(2008)や純正コンプリートカー「S660 モデューロX」(2020年)など過去に発売されたモデルをはじめ、現行の「ヴェゼル e:HEV 純正アクセサリー装着車スポーツスタイル」、そして2024年11月中旬に発売予定の「新型シビック RS テールゲートスポイラー装着車」などが展示されていたほか、モデューロの原点となった初代アルミホイールなど、モデューロの歴史を振り返るアイテムが多数展示されていた。

画像: 「スポーツ モデューロ シビック タイプR」(FD2/2008)。実効空力を初めて提唱したエアロパーツ。土屋氏がホンダアクセスの開発に初めて関与したモデルでもある。

「スポーツ モデューロ シビック タイプR」(FD2/2008)。実効空力を初めて提唱したエアロパーツ。土屋氏がホンダアクセスの開発に初めて関与したモデルでもある。

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