「Mopar」が生まれ変わらせた名門ブランドの誇り
Plymouth GTX Electromodを手がけたMoparは、Stellantis社が提供する純正部品および正規アクセサリーのグローバルブランド。
1937年に不凍液製品のブランド名として誕生した同社は、85年以上にわたり世界中のオーナーと愛好家に向けた総合的な車両ケアと本格的な性能の象徴となった。
Moparは1960年代のマッスルカー時代に、スピードとハンドリングを向上させるパフォーマンスパーツでその名を広め、オンロードとレースの両方で活躍。その後、技術サービスやカスタマーサポートを提供する範囲へと拡大し、現在ではサービス、部品、カスタマーケアの各事業を統合し、世界規模で顧客とディーラーへのサポートを強化している。
1967年型Plymouth GTX Electromodコンセプトは、バッテリー電動車両(BEV)へのコンバージョンキットの将来性を示すもので、クラシックカーや現行車をBEVに変換できるMopar e-Crate推進システムの可能性を感じさせる一台だ。
GTX Electromodコンセプトには、機能的なデュアルエアエクストラクターを備えたカスタムカーボンファイバーフードが採用され、サテンブラックのストライプが2本アクセントとして配置されている。これはオリジナルのPlymouth GTXに敬意を表したものだ。
1960〜70年代のクラシックなMoparのレストモッドを象徴するフリップトップ式の燃料キャップも充電ポートドアとして新しく改良されている。
バッテリーカートリッジは、ラジエーターの下に配置して重量配分を改善
GTXエレクトロモッドコンセプトは3リンクサスペンションを低くし、18インチ×9インチのBTGヴィンテージブロンズ鍛造マグネシウムホイールとピレリP-ZERO(PZ4)タイヤを装着。
カーボンファイバーフードの下には、400ボルト、250キロワットの電動ドライブモジュールが搭載されており、カスタム設計のアイソレートマウントでフレームに固定されている。すべてのマウントは製造の容易さを考慮して設計され、ブラケットは6061アルミニウム合金からウォータージェットカットが施された。
クレートキットの周囲には、カスタムデザインのカーボンファイバーフェンダーエプロン、ファイアウォール、およびラジエタープレナムを配置。サービスが必要な場合に補助バッテリーや冷却ポンプに簡単にアクセスできるように特別なアクセスパネルが設けられている。
パワーディストリビューションブロックの前にはアルミ製の冷却液オーバーフローレザーバーが2つ配置。その他の補助部品には、パワーステアリングポンプ、真空ポンプ、および冷却ポンプが含まれている。
出力は約335psで、3:1のギアリダクターを介して後輪にトルクが伝達され、航続距離は約250マイル(約400km)と推定される。
バッテリーカートリッジは、ラジエーターの下に取り付けられ、グリルの後ろに配置。これにより重量配分が改善させている。
ドアパネルにはなんと、ウインドー開閉クランクを装備
インテリアはオリジナルの3スポークの丸いステアリングホイールが取り外され、現代風の革巻きのフラットボトム3スポークステアリングホイールに変更。ヴィンテージブロンズで仕上げられ、インディゴブルーのレザーと鮮やかなオレンジのステッチが施された。
ブルーの内装ドアパネルにはクラシックな外観を維持するために手動の窓クランクが取り付けられている。
オリジナルの低いバックシートは、ジープ・ラングラーから流用したサポートの強いフロントシートに置き換えられており、リアへのアクセスを容易にするため、素早く前方に折りたたみ可能となっている。
フロントおよびリアシートにはインディゴブルーのプレミアムレザーとガンメタルスエードのインナーボルスターを採用。ヴィンテージブロンズと明るいオレンジのアクセントステッチが施されている。
新たにデザインされたセンターコンソールは快適性が向上。ドライブコントロールは、ダッジ・デュランゴから流用した精巧に統合された回転式シフトノブが採用された。カップホルダーもジープ・グランドチェロキーのものが流用されており、ユニークなデザインに配置されている。
オリジナルのプリムスGTXとは異なり、大型の機能的なセンターアームレストがクルージング時の快適さを実現、ヴィンテージブロンズとサテンブラックで仕上げられたダイキャストコンソールエンドキャップの前に配置されている。