オークションにかけられる前の中古車予備軍と「付き合って」いると、同じ年式、距離でも1台1台のコンディションが全く異なっていることがわかってきます。それはある意味、新車よりもさらに「個性的」なクルマたちの集まり。そこから最近流行の「ネット買い」で、マイベストを選ぶためには・・・まずはやっぱり「専門家」に頼るのがよさそうです。

実車を見ない「ネット買い」にはお墨付きが欲しい

AIS、JAAA、JAAIと3つ並べても、「あ、独自のチェック基準で中古車のコンディションをわかりやすく証明してくれる事業者だよね」と、ややくどい感じで思いつくこと、あまりないかもしれません。

画像: AISは、株式会社オークネットの車両検査部門からスタート、1996年に中古車検査専門会社として独立事業化したもの。検査専門の第三者機関として中古車の評価基準の標準化などに取り組み、中古車に対する信頼性を高める取り組みを進めている。消費者向け「車両品質評価書」の検査受託の増加を受けて、2021年の年間総検査台数は1,042,250台に達している。(画像提供:オークネット/PR TIMES タイトル画像も同)

AISは、株式会社オークネットの車両検査部門からスタート、1996年に中古車検査専門会社として独立事業化したもの。検査専門の第三者機関として中古車の評価基準の標準化などに取り組み、中古車に対する信頼性を高める取り組みを進めている。消費者向け「車両品質評価書」の検査受託の増加を受けて、2021年の年間総検査台数は1,042,250台に達している。(画像提供:オークネット/PR TIMES タイトル画像も同)

でも、それぞれに「カーセンサー認定が採用」とか「グー鑑定が採用」と書き添えれば、納得してもらえるかも。最後のJAAIは、全国規模で正規販売店を含む52の加盟事業者が採り入れている「V-CON(Vehicle Condition Check System)」という車両状態証明事業を展開しています。

つまりはこの3つは多かれ少なかれ、一般ユーザーがオンラインで中古車の購入を検討する時には、お世話になっている可能性が高い機関なんです。ちなみに正式名称は以下のとおり。少しばかりややこしい感じですが。

JAAA=NPO 日本自動車鑑定協会(JAPAN AUTOMOBILE APRAISAL ASSOCIATION)
AIS=株式会社 AIS(Automobile Inspection System)J
AAI=一般財団法人 日本自動車査定協会(JAPAN AUTO APPRAISAL INSTITUTE)

実は日本各地で開催されている中古車オークションでも、専門の査定士による実車検分が販売事業者の適正な仕入れに役立っています。AISはもともと、オンラインオークション大手の株式会社オークネットの査定部門が独立して誕生した企業体だったりします。

システム的にはもっと複雑な話になってしまうのでこのへんでまとめますが、すべてはとりもなおさず、中古車ユーザーに安心で適正な価格で愛車を購入してもらうための取り組みにほかなりません。

査定or鑑定の基準には微妙な違いが。「決定打」はある?

そもそも中古車に関して言えば(新車でも時にリコールのように問題が発生する場合もありますが)、絶対的に安心なコンディションを判定するのはなかなかに至難のワザ。BMが社会問題になる以前から、中古車の査定、鑑定に関して疑問視する声が挙がってきたことは確かです。

それでもこと、オンラインでのクルマ購入に当たって、買い手としては少しでもリスクを下げるために、そうした「専門家」の意見を聴くのはとても効率的で理屈にかなっているように思えます。基準に沿ったチェックシートによる判定に基づく査定(鑑定)もまた、ある程度は納得のいく「選び方」と言えるでしょう。

査定(鑑定)に使われるチェックシートの項目は、3社とも微妙に異なっているようですが、たとえば修復歴についてJAAAはJAAIが定める基準に基づいています。そのJAAAの査定システムは、表示項目・方法、運用体制について「一般社団法人 自動車公正取引協議会」の定める基準を満たしたものとして「監修」のお墨付きを受けているそうです。

こうして解説していても、ややこしくて混乱しますね。

最近の実験的取り組みとしては、自社ローン専門中古車販売店として東北・関東及び中部に展開するオトロンカーズ株式会社が、BOSCHの事故履歴チェックシステム「CDR(クラッシュデータ リトリーバル)」に基づくレポート「BCHR(ボッシュ カー ヒストリー レポート)」を、業界で初めて自社サイトの販売車両に掲示するサービスを始めています。

画像: 車載のEDR(イベントデータレコーダー)から事故履歴を読み出し、衝突時のエネルギーや衝突直前の車両・運転データをもとにダメージの予測範囲をレポート化したのがBCHRだ。衝撃が一定のレベルを超えた場合にデータが残る(画像提供:オトロンカーズ/PR TIMES)

車載のEDR(イベントデータレコーダー)から事故履歴を読み出し、衝突時のエネルギーや衝突直前の車両・運転データをもとにダメージの予測範囲をレポート化したのがBCHRだ。衝撃が一定のレベルを超えた場合にデータが残る(画像提供:オトロンカーズ/PR TIMES)

基本的にデータをもとに判定するBCHRは、従来の査定(鑑定)と合わせて運用することで、もう一歩わかりやすい「安心」を提供することができるようになるかもしれません。とくに年式、車種ともに対応モデルが豊富なトヨタ車に関しては、BCHRのお墨つきがオンラインでの中古車選びのスタンダードになってもいいような気がするのですが・・・。

こと「ちょいふる」なクルマ選びにおいては、それぞれの個体のコンディションやプロフィールを知ることはさらに大切。そのあたりなんとかならんものか・・・と、考えているうちに、思いついてしまいました。

「ものは試しで、すっごい安心感を提供できる優しい中古車屋さんを目指してみようかな」

・・・というわけで、「はじめます編」はここまでにしておいて。次回の「ちょいふるジョイフル」からは、「ちゅうこしゃやさんになりたいぞ!編(仮)」を始めてみたいと思います。

画像: 衝突の状況によっては、見た目以上にひどいダメージが残っている可能性がある。とくに、シャシにまで至る衝撃は、一見、きれいに修復されていても操安性などに影響が残る可能性が否定できない。BCHRはかなりの確度で、そうした「見えない損傷」を予測することができる。(画像提供:オトロンカーズ/PR TIMES)

衝突の状況によっては、見た目以上にひどいダメージが残っている可能性がある。とくに、シャシにまで至る衝撃は、一見、きれいに修復されていても操安性などに影響が残る可能性が否定できない。BCHRはかなりの確度で、そうした「見えない損傷」を予測することができる。(画像提供:オトロンカーズ/PR TIMES)

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