2025年6月29日(現地時間)、F1世界選手権第11戦オーストリアGPがシュピールベルグのレッドブルリンクで開催され、マクラーレンのランド・ノリスが優勝。2位にはチームメイトのオスカー・ピアストリ、3位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが入った。18番手スタートとなった角田裕毅(レッドブル)は、他車との接触によるペナルティを受けるなどして完走車中最下位の16位に終わった。

ノリスvsピアストリの熾烈バトル

路面温度は52度から55度。例年以上の高気温のなかで行われたレッドブルリンクでの決勝は、いきなりの波乱で幕を開けた。

オープニングラップのターン3で、ブレーキをロックさせたキミ・アントネリ(メルセデス)がコーナーを曲がり切れず、アウト側にいたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のリアに激突。両者がリタイアとなったのだ。

ドライバーズランキング3位につけるフェルスタッペンの無得点が確定したのを尻目に、レースはランキング1-2位のマクラーレン勢が、フェラーリ勢を早々に引き離しての一騎討ちとなる。

レース序盤はポールポジションから首位を守ったノリスに対し、スタート直後のターン1でルクレールをかわしたピアストリが急接近。一時はDRSを利用して前に出る局面もあった。しかし、ハードタイヤでの第2スティントでは、ノリスより後にピットインしてタイヤ履歴的には有利なはずのピアストリはなかなかその差をつめられない。

画像: レース序盤からマクラーレン勢が3、4番手のフェラーリ勢を引き離して一騎討ちとなる。ウィリアムズのカルロス・サインツがフォーメーションラップ中にグリッド上で動けなくなったためスタートが中止され、レースは1周短縮された。

レース序盤からマクラーレン勢が3、4番手のフェラーリ勢を引き離して一騎討ちとなる。ウィリアムズのカルロス・サインツがフォーメーションラップ中にグリッド上で動けなくなったためスタートが中止され、レースは1周短縮された。

マクラーレン独走の1-2フィニッシュ

そして迎えたミディアムタイヤタイヤでの最終スティント。ピアストリはスパートをかけて62周目にはノリスとの差を1.7秒にまで縮めるものの、ノリスも素早く反応しDRS作動圏には入らせない。最後は周回遅れの集団がピアストリの接近を阻んでこれで勝負あり。ノリスがモナコGP以来となる今季3勝目を挙げた。

画像: レース終盤までノリスとピアストリの戦いは続いたが、今回はノリスが逃げ切った。

レース終盤までノリスとピアストリの戦いは続いたが、今回はノリスが逃げ切った。

前戦カナダGPでのチームメイトとの接触・リタイアという汚名を返上し、見事なポール・トゥ・ウィンを飾ったノリスは「タフなレースだった。いいバトルで、みんなは楽しめたと思うけど、コクピットの中では辛かった。とくにDRS圏外に出るまでがきつかったね」と安堵した表情。

一方、逆転勝利がならなかったピアストリは「ギリギリの戦いで、ちょっとやりすぎてしまったところもあった。最初のタイヤ交換の後は、なかなか接近できなかった。なぜ勝てなかったかをしっかり確認したい」とこちらは悔しさを滲ませた。

画像: 2000年にミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードが1-2フィニッシュを飾って以来、25年ぶりにオーストリアGPで1-2フィニッシュを果たしたマクラーレン。コンストラクターズランキングでは首位を独走、ドライバーズランキングでも1-2位を独占している。

2000年にミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードが1-2フィニッシュを飾って以来、25年ぶりにオーストリアGPで1-2フィニッシュを果たしたマクラーレン。コンストラクターズランキングでは首位を独走、ドライバーズランキングでも1-2位を独占している。

画像: オーストリアGPのタイヤ戦略。予想通り、2ストップ戦略が最速だったが、1ストップ戦略も競争力があり、アロンソとローソンが1ストップでトップ10入りを果たした。

オーストリアGPのタイヤ戦略。予想通り、2ストップ戦略が最速だったが、1ストップ戦略も競争力があり、アロンソとローソンが1ストップでトップ10入りを果たした。

これでドライバーズ選手権ではピアストリとノリスの差は15点差に。リタイアに終わったフェルスタッペンは、ピアストリから61点のビハインドと大きく後退してしまった。

次戦第11戦オーストリアGPは7月4日、シュピールベルグのシルバーストン・サーキットで開幕、決勝レースは7月6日に行われる。(文:新村いつき)

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