「JDM」とは、日本国内専用車を輸入して楽しむ文化
「JDM」という名称を初めて聞いた読者もおられると思うが、これは「Japan Domestic Market」の略で日本国内市場を意味する。だが現在では、アメリカやイギリスを中心に日本車をカスタマイズしたり、日本国内専用車を輸入して楽しむ日本車文化のことをJDMと呼んでいる。

トヨタ スプリンター トレノ(1986年)
1980〜90年代、日本の自動車メーカーは世界トップの技術を載せることに挑戦し、電子制御、高性能エンジンなど、革新的な技術を次々と実用化していった。これらの技術は、現在の自動車開発にも大きな影響を与えており、またデザインの面でも、空力性能や視認性、安全性を考慮した機能美を追求したデザイン、シンプルでありながら個性を持つスタイリングは、今なお多くのファンを魅了している。しかし、当時は海外で欧州車ほどの評価を得られず、技術者たちは悔しい思いをしてきた。
しかし、それから数十年が経ち、当時の日本車が持つ高い技術力、洗練されたデザイン、そして信頼性が再評価され、世界中の自動車ファンから注目を集めている。
今回の企画展では、多くのファンを魅了し続けている1980〜90年代の日本車約10台を「当時の最新技術」「独自のデザイン」「小さな高性能」の3つのテーマに分けて紹介する。展示車両は同館所蔵のものに加え、国内自動車メーカー7社と日本自動車博物館の協力を得たもの。この展示を通して、日本のクルマが持つ独自の価値、またクルマは日本が世界に誇れる文化になるという想いを、ぜひ感じて欲しい。展示車両は、以下の予定だ。
●当時の最新技術
・ダイハツ シャレード デトマソ(1984年) ※2026年1月12日まで展示
・トヨタ スプリンター トレノ(1986年)
・日産 スカイラインGT-R(1989年)
・アンフィニ RX-7(マツダ)(1991年) ※2026年1月6日〜13日は展示せず
・スバル インプレッサ WRX STi(1994年)
・三菱 ランサーエボリューションⅥ トミー・マキネン エディション(2000年)
・ホンダ インテグラ タイプR(1998年) ※2026年1月12日まで展示
・ホンダ シビック タイプR(1996年) ※2026年1月14日から展示
●独自のデザイン
・日産 PAO キャンバストップ(1989年)
・日産 フィガロ(1991年) ※2026年1月14日から展示
●小さな高性能
・ダイハツ ミラ TR-XX(1987年) ※2026年1月12日まで展示
・スズキ セルボ・モード(1990年) ※2026年1月12日まで展示
・ホンダ ビート(1991年) ※2026年1月14日から展示
・オートザム AZ-1(マツダ)(1993年) ※2026年1月14日から展示
・スズキ カプチーノ(1995年) ※2026年1月14日から展示
※期間中に展示車両は入れ替えが行われる予定。

日産 スカイラインGT-R(1989年)
また、トヨタ博物館では関連イベントとして、2025年11月29日(土)には1980〜90年代の日本車のオーナーミーティングを開催予定。さらに、同年9月9日(火)〜10月26日(日)には、「ラリーで活躍した1980-90年代の日本車」として、トヨタ セリカ TA64型(1985年)、トヨタ セリカ GT-FOUR ST165型(1990年)<WRCサファリラリー優勝車>を特別展示する。いずれのイベントに関しても、詳細はトヨタ博物館のホームページで確認して欲しい。