現役日本映画最年長監督、『男はつらいよ』シリーズの山田洋次が描く最新作が『TOKYOタクシー』。その見どころを映画評論家の永田よしのり氏に紹介してもらおう。(Ⓒ2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会)

2025年の東京国際映画祭・映画祭センターピース作品に選出

画像1: Ⓒ2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

Ⓒ2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

『男はつらいよ』や『家族はつらいよ』シリーズで、松竹人情喜劇を世に送り出し続けてきた日本映画の名匠・山田洋次監督の91本目となる監督作品。原作を2022年のフランス映画『パリタクシー』(日本では2023年4月公開)に求め、パリを舞台にしたタクシー運転手と老女の物語を現代の東京に移して描いてみせる1本。

タクシーに乗る女性客・高野すみれを『男はつらいよ』シリーズで寅さんの妹・さくら役で観客に愛された倍賞千恵子が、そのタクシーの運転手・宇佐美を木村拓哉が演じている。山田洋次監督は、本作品で2025年の東京国際映画祭・映画祭センターピース作品に選出され、それとともに山田監督には特別功労賞が授与された。

現在、都内などで主に使用されているタクシーは、トヨタのジャパンタクシーが多い。だが劇中で木村拓哉演じる宇佐美が使用しているのは、プリウスα。これは個人タクシーとして、燃費や積載スペースを考慮しての選択だろうと思われる。

画像2: Ⓒ2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

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倍賞千恵子演じる高野すみれは85歳。終活のために東京は葛飾の柴又から、神奈川県葉山にある高齢者施設に移動するために、宇佐見に送迎を依頼する。その道中、すみれは葉山に向かいながら「東京の見納めに、いくつか寄り道したい場所がある」と言う。宇佐見は1日運転手としてすみれの小旅行に付き合うことに。

道中、すみれは自分の人生を振り返るように過去を語り始める。宇佐見はすみれの話に耳を傾けながら、普段はすることのない自分の話をし始め、いつしか2人の心は年齢や性別を超えて互いに寄り添っていく。そのたった1日の交流は宇佐見が思いもしなかった結末を届ける・・・。

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