2025年11月28日(現地時間)、F1第23戦カタールGPが首都ドーハ郊外のロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕する。長いシーズンもこのカタールGPを含めて残り2戦。コンストラクターズタイトルはすでにマクラーレンで確定しているが、ドライバーズタイトルを巡る戦いは混迷を深め、緊迫した状況となってきた。なおカタールGPはスプリントフォーマットで開催される。

チャンピオン争いは、ノリス有利から一転、3強の混戦模様に

F1グランプリではしばしば想定しない出来事が起きる。前戦ラスベガスGPではランキング3位のレッドブルのマックス・フェルスタペンが優勝、ドライバーチャンピオンに望みをつなぐ一方で、ランキング首位を走るランド・ノリスが2位でフィニッシュ。ランキング3位のオスカー・ピアストリが4位フィニッシュに終わったため、ノリスが大きくドライバーチャンピオンに近づく結果となった。

画像: 前戦ラスベガスGPではランキング3位のレッドブルのマックス・フェルスタペンが優勝し、ランキング1位-2位のマクラーレンのふたりが失格となったため、ドライバーズタイトル争いが緊迫してきた。

前戦ラスベガスGPではランキング3位のレッドブルのマックス・フェルスタペンが優勝し、ランキング1位-2位のマクラーレンのふたりが失格となったため、ドライバーズタイトル争いが緊迫してきた。

ところが、レース後の車検で事態は一変。マクラーレン2台のスキッドブロックが規定以上に摩耗していることが発覚し、ノリスとピアストリが失格ノーポイントになってしまったのだ。その結果、ランキング首位のノリスのポイントは390点と変わらず。24点差のランキング2番手にピアストリとフェルスタッペンが並ぶ緊迫の状況になった。

こうして迎える第23戦カタールGPはスプリントフォーマットで開催されるため、スプリント、決勝を連勝すれば33点を獲得することができる大きなチャンス。次戦第24戦最終戦アブダビGPは通常のレースフォーマットで行われるので、ノリスは25点差をつければ、つまりピアストリとフェルスタッペンよりも多くのポイントを稼ぐことができればチャンピオンが確定する。

ドライバー同士のチャンピオン争いに介入しない立場をとってきたマクラーレンチームが、フェルスタッペンの追い上げにどう対応するのかも興味深い。シーズン終盤になってタイトル獲得のチャンスが巡ってきたフェルスタッペンは、マクラーレンチームにとって大きな脅威だろう。

【参考】2025年F1ドライバーズランキング(第22戦終了時)

1位 4 L.ノリス(マクラーレン)390
2位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)366
3位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)366
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)294
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)226
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)152
7位 12 K.アントネリ(メルセデス)137
8位 23 A.アルボン(ウイリアムズ)73
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17位 22 角田裕毅(レッドブル)28

【参考】2025年F1コンストラクターズランキング(第22戦終了時)

1位 マクラーレン 756 
2位 メルセデス 431
3位 レッドブル 391
4位 フェラーリ 378
5位 ウイリアムズ 121
6位 レーシングブルズ 90
7位 ハース 73
8位 アストンマーティン 72
9位 キックザウバー 68

ほこりっぽい路面や気温変化の大きい気候など難しいコンディション

カタールGPが行われるロサイル・インターナショナル・サーキット(Lusail International Circuit)は、カタールの首都ドーハから北へ約35km、砂漠の中に位置するレーシングコース。1周5.419kmのコースには時計回りに16のコーナー(左コーナー6、右コーナー10)が配置され、メインストレートは1068mと長く、その後のターン1が最大のオーバーテイクポイントとなる。このサーキットはもともとバイクレース用に設計されており、全体的には中高速コーナーが多く、 高速かつテクニカルで、タイヤに厳しいサーキットと言える。16コーナーのうち11が右コーナーであることから、とくに左フロントにストレスが加わる。

画像: 砂漠の中に位置するロサイル・インターナショナル・サーキット。砂が吹き込みやすく、路面はほこりっぽく、グリップは低い。

砂漠の中に位置するロサイル・インターナショナル・サーキット。砂が吹き込みやすく、路面はほこりっぽく、グリップは低い。

海が近く、風があることから、砂が吹き込みやすく、路面はほこりっぽく、グリップが低いのも大きな特徴。また、日中の気温が高いためセッションは夕刻よりスタートするが、それでも夕刻に行われるセッションとナイトセッションの路面温度の変化は大きく、その違いをどう読むかも重要なポイントになる。決勝は現地時間19時にスタートするナイトレースとなる。

チームにとってのもうひとつの課題は、スプリントフォーマットで行われること。チームは金曜日のまだ気温の下がらない時間帯のわずか1時間のフリー走行でセットアップを決定し、スプリント、決勝でのタイヤ戦略を判断しなければならない。

画像: 1周5.419kmのコースに時計回りに16のコーナー(左コーナー6、右コーナー10)が配置される。砂漠の中に位置するため平坦でアップダウンは少ない。

1周5.419kmのコースに時計回りに16のコーナー(左コーナー6、右コーナー10)が配置される。砂漠の中に位置するため平坦でアップダウンは少ない。

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