「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、前回に引き続きIMPULが手がけた日産 キャラバンだ。

最近の日産車を面白くしてくれるインパル

画像: ローダウンされたスプリングは試作ながら、乗り心地も走りも両立させる仕上がりを展開していた。

ローダウンされたスプリングは試作ながら、乗り心地も走りも両立させる仕上がりを展開していた。

一方でフットワーク系にも注目のアイテムが隠されていることを見逃してはならない。それは、キャラバン用に新たに仕立てられた「インパル シルエット」という名のホイールだ。これはインパルが創業を開始した33年前(編集部註:2013年)の1980年に発表されたホイールデザインを踏襲し、このクルマのために新たに製作されたリバイバルモデル。特有のディスク形状を採用することで、キャラバンが生み出すサイドシルエットに、見事に溶け込んでいる。

サイズは純正が装着する195/80R15をそのまま組み付けることが可能だ。変にインチアップに走らず、さらには往年のヒット作を復活させたあたりが面白い試みだ。ちなみに車高は試作スプリングを装着することでローダウンされ、ノーマル比でフロントが約20mm、リアは約35mm低くなっている。乗り心地も走りも両立する仕上がりを展開していた。

最近(編集部註:2013年)の日産車は、正直に言ってしまえば走りのクルマでイジって楽しめるような素材が少ない。それよりもエコであることや実用性の追求、さらには上質であることを追い求めるあまり、遊び心を失ってしまったかのようにも見えてならない。

だが、インパルはそんな状況下でも試行錯誤を繰り返してきた。それゆえ、元の状態があまりにおとなしかったために、かえってインパクトを感じるクルマが次々に誕生してくる。まさにインパルのチューニングマジック炸裂!といった感じだ。こうしたノーマルとのギャップを楽しめるという意味で、インパルはかなり面白いのだ。

画像: かつてのスーパーシルエット シルビアに装着されて大人気となった「インパル シルエット」ホイールが復活。

かつてのスーパーシルエット シルビアに装着されて大人気となった「インパル シルエット」ホイールが復活。

日産 NV350キャラバン バン プレミアムGX(ベース車) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4695×1695×1990mm
●ホイールベース:2555mm
●車両重量:1810kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1998cc
●最高出力:96kW(130ps)/5600rpm
●最大トルク:178Nm(18.1kgm)/4400rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:レギュラー・65L
●JC08モード燃費:9.7km/L
●タイヤサイズ:195/80R15
●当時の車両価格(税込):262万800円

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