SRT バイパー(2012年:日本未導入車)、ほか

ロード アトランタのコース上に勢ぞろいした、300 SRT8、SRT バイパー、グランドチェロキー SRT8、チャレンジャー SRT8、そしてチャージャー SRT8(写真左から)。
「SRT」と聞いても、その名を知らない人は少なくないだろう。クライスラー(およびダッジ)の高性能ブランドであるSRTは「ストリート&レーシング テクノロジー」の略で、メルセデス・ベンツでいうところのAMGに相当する。既存のモデルをベースにド級のエンジンを搭載し、パフォーマンスをアップしたモデルを送り出している。
2012年末、そんなSRTモデルの海外試乗会に参加してきた。顔を揃えたのは、日本デビューしたばかりのグランドチェロキーと300の他に、バイパー、チャレンジャー、チャージャーの4車種だ。場所はアメリカ南東部のサーキット、ロード アトランタ。スポーツカー レースなどが開催されるこのコースは、1周約4.1kmで12のコーナーを持ち、高低差も激しい。
まずは、やはりバイパーから試乗しよう。2012年に3代目となったバイパーはSRT ブランドが送り出す「SRT バイパー」となった。SRTの何が特別かというと、その名のとおりレーシングテクノロジーが注入されている点だ。彼らはアメリカン ル・マン シリーズなどにバイパーを送り込み、そこでの経験からレーシングカーを進化させるとともに、市販車に技術をフィードバックさせている。ライバルはアストンマーティン ヴァンキッシュやポルシェ 911GT3、そしてシボレー コルベットなどである。

8.4L(512立方インチ)のV10エンジンはOHVだが648ps!と814Nm!というスーパーパフォーマンスを発生。
それゆえ、クルマが軽く造られているのがポイントだ。まるでレーシングカーのようにカーボンとアルミを積極的に採用している。これは走り出して5秒もせずに実感する。軽快な出足からして、これまでのバイパーとは違うからだ。
しかも、安定性がものすごい。従来型のバイパーはサーキットで調子に乗ってアクセルを踏んでいると、どこへ飛んでいくか分からなかったが、今回はハンドルを切った方向へリニアに破綻なく加速していく。これはある意味、感動的ですらある。肩すかしさえ感じるくらいだ。あの高速コーナーでのアンダーステアや低速コーナーでのオーバーステアは、皆無になったのだから。
乗り心地も、それほど硬くなかった。もちろんサーキットという特殊な環境ではあったが、可変式のビルシュタイン製ダンパーをトラックモードにしても跳ねすぎることはない。レーシーでも、そこはそれほどエッジを効かせていないようだ。それにしても648psを発生する8.4LのV10パワーは凄まじく、下りのストレートでは鳥肌が立つほどのGフォースを生む。このあたりの感覚はまさにモンスター。814Nmという超大トルクも、公道では体感できる機会はないだろう。
