2026年6月15日、ホンダは業務用作業機メーカー向け汎用エンジンなどの動力源となる電動パワーユニット「eGX(イージーエックス)」シリーズに、新たに高出力モデルの3機種「GXE4.0D」「GXE6.0D」「GXE9.0D」を追加し、今秋より供給を開始すると発表。同年6月17〜20日に千葉・幕張メッセで開催された『第8回国際建設・測量展(CSPI2026)』で世界初公開した。

販売台数だけで見れば、四輪事業を凌ぐ規模

画像: 新型eGXシリーズ。左からGXE4.0(最大出力3.7kW/連続定格出力2.1kW)、GXE6.0(最大出力6.0kW/連続定格出力3.8kW)、GXE9.0(最大出力8.7kW/連続定格出力7.0kW)となる。

新型eGXシリーズ。左からGXE4.0(最大出力3.7kW/連続定格出力2.1kW)、GXE6.0(最大出力6.0kW/連続定格出力3.8kW)、GXE9.0(最大出力8.7kW/連続定格出力7.0kW)となる。

ホンダパワープロダクツは「役立つ喜び もっと拡げたい」という事業スローガンのもと、発電機や芝刈機、耕うん機など、世界中のニーズに応える多様な製品ラインナップを展開、パワーユニット事業、完成機事業、マリン事業をそれぞれ展開している。

その中のパワーユニット事業では、世界中のユーザーに汎用エンジンを提供する一方、先進国を中心に強化されつつある環境規制に対応した電動製品のラインナップを拡充している。

そんなホンダは、初めて第8回 国際建設・測量展(CSPI 2026)に出展し、電動パワーユニット「eGX」シリーズや作業現場での活用が期待される電動製品や持ち運び可能な交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」やその活用例などを展示、ホンダが目指す建設・産業分野の電動化の取り組みをアピールした。

画像: 左からeGX中大型モデル営業責任者 高橋基尚(たかはしもとひさ)さん、パワープロダクツ事業統括部 事業企画部部長 田淵陽之(たぶちはるゆき)さん、eGX中大型モデル開発責任者 徳備広太(とくびこうた)さん。

左からeGX中大型モデル営業責任者 高橋基尚(たかはしもとひさ)さん、パワープロダクツ事業統括部 事業企画部部長 田淵陽之(たぶちはるゆき)さん、eGX中大型モデル開発責任者 徳備広太(とくびこうた)さん。

ホンダブースの展示内容は、世界公開されたeGXシリーズがGXE2.0H、GXE4.0D、GXE6.0D、GXE9.0Dの3モデル、持ち運びが可能な交換式バッテリーHonda Mobile Power Pack e:、Honda Power Pod e:、Honda Power Pack Exchanger e:に加え、ガソリンエンジンは、日本初公開のiGX430コンセプトモデル、iGX800となる。

さらにHonda Mobile Power Pack e:を採用した二輪電動車はGYRO CANOPY e:、電動マイクロショベル PC01E-2(コマツ)、電動ハンドガイドローラー HV620evo(酒井重工業)、ライン施工機 GM-601(岳南光機)、高圧洗浄機 MKW1513MF(HMPP)コンセプト(丸山製作所)、投光機 LB20LM-H(ライトボーイ)、投光機 LEDフィールドライトF1(日星工業)、投光機 PL-241SLB(デンヨー)、充電器 小型バッテリー交換機(Gachaco)なども展示されていた。

画像: 既存の汎用エンジンや汎用エンジンのコンセプトモデルも展示。左が既存モデルのiGX800、右が日本初公開されたコンセプトモデツのiGX430FIだ。田淵部長は、ガソリンエンジンモデルもまだ進化するとコメントしている。

既存の汎用エンジンや汎用エンジンのコンセプトモデルも展示。左が既存モデルのiGX800、右が日本初公開されたコンセプトモデツのiGX430FIだ。田淵部長は、ガソリンエンジンモデルもまだ進化するとコメントしている。

ホンダのパワープロダクツ事業は、1953年に遡る。二輪エンジンの評判が農業機械メーカーからの開発依頼につながり初の汎用エンジン「H型」が誕生している。その後、長年にわたって業務用作業機メーカー向けに汎用エンジンなどの動力源を提供、現在ではグローバルで359万台(2025年度)を販売する事業となっている。ちなみにこれは四輪の339万台を凌ぐ販売台数となる。

今回ホンダブースで世界初公開されたのは、電動パワーユニット「eGX(イージーエックス)」シリーズの新たに高出力モデルの3機種「GXE4.0D」「GXE6.0D」「GXE9.0D」である。2026年秋より供給を開始、日本を皮切りに、米国や欧州などにも順次、供給地域を拡大していく予定となる。

画像: 2026年6月20日まで開催されていたCSPI2026でのホンダブース。

2026年6月20日まで開催されていたCSPI2026でのホンダブース。

ところで2021年に発売された「eGX」シリーズは、最大出力1.8kWの電動パワーユニットとして、これまで多くの作業機械メーカーにおいて、ランマーやプレートコンパクターなどの小型作業機を中心に採用されてきたものだ。

低騒音・低環境負荷といった電動ならではの特長を活かし、換気が困難な場所や住宅地、夜間の工事現場など、騒音や排出ガスへの配慮が求められる作業環境で活用されている。また、ガソリンエンジンと比べて始動操作が容易で、日常的な整備や消耗品交換などのメンテナンス作業の負荷を軽減することで、作業者の負担軽減や作業性の向上にも貢献している

一方、ショベルカーや高圧洗浄機など、より高出力が求められる作業機に向けては、すでに発売されている電動パワーユニットGXE2.0では出力不足の、引き続きガソリンエンジンやディーゼルエンジンが使われていた。つまり電動パワーユニットの高出力化が求められていたというわけだ。その解が高出力モデルのGXE4.0、GXE6.0、GXE9.0というわけだ。

今回新たに供給するこの高出力版の3機種は、ホンダの電動二輪車のモーター部品を活用し、最大出力3.7kW、6.0kW、8.7kW(いずれもモーターユニット単体の性能値)を実現、これによって、より高出力帯の建設機械や産業機械への搭載が可能となり、eGXシリーズの適用領域が大きく拡大することになる。

画像: ホンダモバイルパワーパックイーを採用した二輪の電動車がGYRO CANOPY e:である。

ホンダモバイルパワーパックイーを採用した二輪の電動車がGYRO CANOPY e:である。

画像: Honda Mobile Power Pack e:はシート下に搭載される。

Honda Mobile Power Pack e:はシート下に搭載される。

また、同製品では交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー )」を電源として採用。あらかじめ充電したバッテリーとの交換による連続運転が可能で、作業中のダウンタイム低減に寄与、「BENLY e:(ベンリィ イー)」「EM1 e: (イーエムワン イー)」などのホンダの電動二輪車だけでなく、規格型バッテリーとしてさまざまな電動機器の動力源としても使うことができるのである。

画像: 街中でホンダモバイルパワーパックイーを交換、共有できるバッテリーシェアリングサービスは、2022年4月1日にENEOS、Honda、YAMAHA、SUZUKI、KAWASAKIの5社が電動二輪車の共通仕様バッテリーのシェアリングサービス提供とシェアリングサービスのためのインフラ整備を目的とする 「Gachaco(ガチャコ)」を設立し、同年10月より電動バイク向けのバッテリーシェアリングサービスを開始している。

街中でホンダモバイルパワーパックイーを交換、共有できるバッテリーシェアリングサービスは、2022年4月1日にENEOS、Honda、YAMAHA、SUZUKI、KAWASAKIの5社が電動二輪車の共通仕様バッテリーのシェアリングサービス提供とシェアリングサービスのためのインフラ整備を目的とする 「Gachaco(ガチャコ)」を設立し、同年10月より電動バイク向けのバッテリーシェアリングサービスを開始している。

画像: ホンダブースでは世界初公開モデルや日本初公開のコンセプトモデルの展示があり、興味深い内容となっていた。

ホンダブースでは世界初公開モデルや日本初公開のコンセプトモデルの展示があり、興味深い内容となっていた。

さて「GXE4.0D」「GXE6.0D」「GXE9.0D」の主な特長だが、GXシリーズとの搭載互換性を考慮し、フランジ取り付け部およびシャフトの寸法をGX200と同一化しGXシリーズとの互換性を実現しているこのに加え、交換式バッテリーHonda Mobile Power Pack e:の採用しているところにある。

また他にも、さまざまな電動モビリティ/機器の動力源として活用が可能な1.3kWh以上の大容量電力を貯蔵するリチウムイオンバッテリーを採用、あらかじめ充電したモバイルパワーパックと交換することで、充電待機時間なしで作業を継続可能となり、作業時間の効率化が向上することにも注目である。

画像: 電動ならではの利便性を最大限に活用し、「技術で人々の役に立ちたい」という想いのもと、ユーザーのニーズニ応えるさまざまな製品をラインナップしている。

電動ならではの利便性を最大限に活用し、「技術で人々の役に立ちたい」という想いのもと、ユーザーのニーズニ応えるさまざまな製品をラインナップしている。

さらに電動ならではの利便性、坑道内など換気が困難な場所や住宅近接エリアでの夜間工事など、静粛性が求められる環境でクリーンかつ低騒音な作業を実現し、スイッチ操作のみで簡単に始動可能するところや、エンジンに必要な各種整備、交換、清掃作業が不要となりメンテナンス負担を軽減、環境負荷物質HC/NOx/CO2排出低減への貢献などメリットが多いこともあげられる。

新型GXEシリーズ主要諸元
●GXE4.0D:全長×全幅×全高=305×301×256mm、重量=12.6kg、連続定格出力=2.1kW/3600rpm、最大出力=3.7kW/3600rpm、最大トルク=16.0Nm/1500rpm
●GXE6.0D:全長×全幅×全高=305×301×256mm、重量=12.9kg、連続定格出力=3.8kW/3600rpm、最大出力=6.0kW/3600rpm、最大トルク=22.0Nm/2000rpm
●GXE9.0D:全長×全幅×全高=315×301×256mm、重量=16.9kg、連続定格出力=7.0kW/3600rpm、最大出力=8.7kW/3600rpm、最大トルク=49.0Nm/1000rpm

システム性能
●GXE4.0D+DBM1D:連続定格出力=2.1kW/3600rpm、最大出力=3.0kW/3600rpm、最大トルク=16.0Nm/1500rpm
●GXE6.0D+DBM2D:連続定格出力=3.8kW/3600rpm、最大出力=6.0kW/3600rpm、最大トルク=22.0Nm/2000rpm
●GXE9.0D+DBM2D:連続定格出力=3.8kW/3600rpm、最大出力=6.4kW/3600rpm、最大トルク=49.0Nm/1000rpm

交換式バッテリー
名称=Honda Mobile Power Pack e:、定格電圧=50.26V、定格容量/定格電力量=26.1Ah/1.314Wh、全長×全幅×全高=156.3×177.3×298mm、重量=10.2kg

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