エネルギーマネージメントと適確な戦略が重要なポイント
フォーミュラEはFIA(国際自動車連盟)が管轄する世界最高峰のフォーミュラBEVレース。「次世代のF1グランプリ」「BEVのF1レース」と注目される中、2014年からシリーズがスタートし、マシンもレースフォーマットも年々進化、シーズンを重ねるごとにレベルが上がり、人気も高まっている。
フォーミュラEで使用される最新のGEN3 Evo(第3世代)マシンは、基本的に300kW(約400ps)の後輪駆動だが、前輪にもモーターを搭載し四輪駆動(350kW/約470ps)で走行することも可能。0→97km/h加速をわずか1.82秒で走り切るなど、F1マシンをも上回る驚異的な加速性能を誇る。またレースを走り切るために必要な約50%の電力しか搭載せず、残りの約50%を回生しながら走るという先進性も見せる。

2024年から日本初の市街地レースとして始まったフォーミュラEの東京ラウンドは、今年からナイトレースとして開催された。
レースではピットブーストやアタックモードといった特別なルールも設けられ(予選ではノックダウン方式も採用)、ただ速く走るだけでなく、エネルギーマネジメントや状況に応じた適確な戦略も求められ、それがエンターテインメント性にも繋がっている。
環境負荷を極力小さくする試みが盛り込まれているもの特長で、排出ガスを出さず、騒音も少ないというBEVの特性を活かして、多くのレースが世界各国の大都市、しかも市街地で行われている。観客は電車や地下鉄でサーキットに足を運ぶことになり、これにより観客のクルマ移動に比べて燃料消費の大幅な削減となる。
フォーミュラE東京ラウンド(東京e-Prix)はナイトレースとして開催されたが、その照明などレースに必要な電力は、持続可能なHVO(水素化植物油)燃料を含む再生可能エネルギーによって作られている。
DSペンスキーフォーミュラEチームのパドック。サスペンション、タイヤ、エアロダイナミクスなどの調整のほか、エネルギーマネージメントのための情報、解析が行われる。
こうしたフォーミュラEの魅力やレースの戦い方について、レース前に、DSオートモビルズ・ペンスキーのふたりのドライバー、2024年の東京ラウンドのウイナーで今年も優勝候補にあげられていたマキシミリアン・ギュンター選手と、次代のチャンピオン候補と言われる若手のテイラー・バーナード選手に話を聞くことができた。
【マキシミリアン・ギュンター選手】
「フォーミュラEはエネルギーマネジメントが重要になります。とくにこのサーキットでは予選も重要で、できるだけ前のグリッドからスタートし、良いポジションをキープし、エネルギーをマネジメントしながら、アタックモードをうまく使うことが鍵となります。確保した優位な位置を失わないよう、アタックモードを使うことになります。東京での最初のレース(2024年大会)では素晴らしい結果となり、良い思い出がたくさんありますが、レースは常にゼロからのスタートです」
【テイラー・バーナード選手】
「フォーミュラEは環境に配慮した、非常にフレンドリーな進化を続けています。他のレースカテゴリーとは少し違い、特有の課題が多くありますが、全体として素晴らしいものです。 チームによって、ハードウエアの作り方や効率、エネルギーマネージメントは大きく違います。昨年所属していたマクラーレンとは明確な違いがあります。東京のコースは予選が非常に難しいですが、勝てる可能性は十分にあると思っています」

