米国でも人気を集め、モータースポーツでも活躍
ちなみに輸出仕様は、最大の市場だったアメリカの安全基準をパスする対策が施され、またダッシュボードのデザインもSP311とは異っていた。レース向きの豊富なスポーツキットが用意されていたのも特徴のひとつだった。
SR311は発表翌年の昭和43(1968)年1月の第37回モンテカルロラリーでクラス3位の好成績を収め、年間販売台数は1万台を超え、老舗のヨーロッパ(とくにイギリス)製スポーツカーをアメリカ市場から駆逐する勢いを示した。
その最高速をヨーロッパの本格的スポーツカーと比較してみると、ポルシェのベースモデル911Lの210km/hに匹敵(上位モデルの911Sは225km/h)。MGBの160km/hをはるかに超えていたし、直6の3Lエンジンを搭載したMGC(147ps)の202km/hとほぼ同レベルにあった。最高速のみで性能比較をするのは少し乱暴すぎることはわかっているが、性能の指標として重要な意味を持っていることは間違いない。

後期型のインパネ。ハンドル中央にセーフティパッドが付き、シートにはヘッドレストが裝備された。
フェアレディ2000の国内での車両価格は88万円ときわめて安価で、アメリカ市場ではポルシェの低価格モデルのほぼ3分の1にしか過ぎなかった。しかもアマチュア モーターレーシングの世界で抜群の強味を発揮したため、安くて速いスポーツカーとして人気を集めたのは、むしろ必然の流れだった。
当時の日産は、合併したプリンスから受け継いだレーシングプロトタイプ「ニッサンR380」がレースで活躍し(日本GPでは昭和41年にR380が1-2位、昭和42年はR380 IIが2-4位に入賞)、谷田部での国際スピード記録への挑戦を行うなど、極めて意欲的なモータースポーツ活動を続けていたが、このフェアレディ2000もそうした熱っぽい雰囲気をバックにしたユニークな古典的スポーツカーだった。
フェアレディ2000のスポーツスピリットは、昭和44(1969)年に登場したクローズドボディのフェアレディZへと受け継がれていくことになる。

シンプルなリアビュー。ナンバープレート右横にフュエルリッドを配置。大柄に見えるが、全長は3910mm、全幅は1495mmしかない。
ダットサン フェアレディ2000 主要諸元
●全長×全幅×全高:3910×1495×1325mm
●ホイールベース:2280mm
●車両重量:910kg
●エンジン:直4 SOHC
●総排気量:1982cc
●最高出力:145ps/6000rpm
●最大トルク:18.0kgm/4800rpm
●燃料供給装置:ソレックスキャブレター×2
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FR
●タイヤサイズ:5.60S-14
●当時の車両価格:88万円

