2026年10月23日金曜日(現地時間)、F1第18戦アメリカGPがテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕する。F1グランプリは1週間の休みをはさんで、アメリカ→メキシコ→ブラジルへと続く3連戦に突入。このアメリカGPで、新たなドライバーズチャンピオンが誕生するかもしれない。

文:Webモーターマガジン
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速さを取り戻したフェルスタッペンだが、時すでに遅し!?

今シーズンは新たなレギュレーションが追加されたこともあって、マシンの開発が速いペースで進み、シーズンをとおしてトップ争いを繰り広げるチームの勢力図が大きく変動してきた。

シーズン序盤はメルセデスが圧倒的な速さを見せていたが、ヨーロッパラウンドに入るとフェラーリが対抗勢力として浮上。その後、真夏の時期になるとマクラーレンが勢いを増し、ランド・ノリスが
4戦で2勝、3回のポールポジションを獲得する活躍を見せた。

直近ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが、バーレーンGPとシンガポールGPで連勝。さらにシンガポールではスプリントも制して完全勝利をあげた。フェルスタッペンはアゼルバイジャンGPでも僅差の2位に入っており、ここ3戦で76ポイントを稼ぐ破竹の勢いを見せている。

そんな中で、メルセデスのキミ・アントネッリはシーズンを通じて安定した走りを続け、早ければ今週末にも史上最年少のドライバーズチャンピオン獲得を決めようとしている。F1参戦わずか2年目の若者がこのような立場にいることは実に驚くべきことだ。

アメリカGPが終了した時点で、残りレースは5戦。今シーズンはもうスプリントフォーマットのグランプリが開催される予定はないので、最大の追加獲得ポイントは125点。つまり、アントネッリはアメリカGPが終了した時点でランキング2位以下のドライバーに125点以上の差をつければ、ドライバーズチャンピオン獲得となる。

ランキング2位のラッセル、3位のハミルトンがポイント上のライバルとなるが、現時点でもっとも手強いのがランキング4位に浮上してきたフェルスタッペン。リズムをつかんだ時のフェルスタッペンの強さは侮れない。ただアントネッリとフェルスタッペンのポイント差は119点。フェルスタッペンの猛反撃がもう少し早ければ、アントネッリの大きな脅威になっていたことだろう。

たとえフェルスタッペンが残りレースですべて優勝しても、アントネッリは着実にポイントを稼げば、残りレースが少なくなって行く中で、チャンピオンが獲得できる優位な立場にいる。

画像: チャンピオン確定の可能性を持ってアメリカGPにのぞむメルセデスのキミ・アントネッリ。5戦を残して、早くもその瞬間が訪れるかもしれない。

チャンピオン確定の可能性を持ってアメリカGPにのぞむメルセデスのキミ・アントネッリ。5戦を残して、早くもその瞬間が訪れるかもしれない。

【参考】2026年F1第17戦シンガポールGP決勝 結果

1位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル・RBPTフォード)62周[25]
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+7.335s[18]
3位 12 K.アントネッリ(メルセデス)) +24.573s[15]
4位 1 L.ノリス(マクラーレン)+40.506s[12]
5位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+49.844s[10]
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+53.188s[8]
7位 30 L.ローソン(レッドブル・RBPTフォード)+1m21.666s[6]
8位 24 N.ヒュルケンベルグ(アウディ)+1m23.386s[4]
9位 63 G.ラッセル(メルセデス)+1m24.677s[2]
10位 6 I.ハジャー(レッドブル・RBPTフォード)+1m30.862s[1]
────────────
11位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)+1周
リタイア 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)+1周
※[ ]内は獲得ポイント

【参考】2026年F1第17戦シンガポールGPスプリント 結果  

1位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル・RBPTフォード) 20周[8]
2位 44 L.ハミルトン(フェラーリ) +2.591s[7]
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+16.871s[6]
4位 12 K.アントネッリ(メルセデス)+17.2381s[5]
5位 30 L.ローソン(レッドブル・RBPTフォード)+20.632s[4]
6位 87 O.ベアマン(ハース・フェラーリ)+24.3321s[3]
7位 24 N.ヒュルケンベルグ(アウディ)+27.525s[2]
8位 1 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+28.272s[1]
────────────
16位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)+1周
リタイア 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)
※[ ]=獲得ポイント

【参考】2026年F1ドライバーズランキング(第17戦終了時)

1位 12 K.アントネッリ(メルセデス)340
2位 63 G.ラッセル(メルセデス)238
3位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)229
4位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル)221
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)215
6位 1 L.ノリス(マクラーレン)201
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)138
8位 6 I.ハジャー(レッドブル)97
────────────
17位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)7
−位 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)0

【参考】2026年F1コンストラクターズランキング(第17戦終了時)

1位 メルセデス 578
2位 フェラーリ 444
3位 マクラーレン 339
4位 レッドブル 332
5位 レーシングブルズ 100
6位 アルピーヌ 68

地形を活かしたアップダウンに富むチャレンジングなコース設定

ではアメリカGPの舞台となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(Circuit Of The Americas=COTA)はどんなコースなのだろうか。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズはF1グランプリ開催のため2012年に建設されたサーキットで、テキサス州オースティンにある。

コースは反時計回りで、全長5.513km。高速コーナー、素早い切り返し、地形を活かしたアップダウン、そして強いトラクション性能が求められる低速区間が組み合わされたテクニカルなレイアウトで、競争力を発揮するには、ストレートでの速さと複雑なコーナーで効率的な空力性能を両立させなければならない。

とくにシルバーストンの名物であるマゴッツ/ベケッツを彷彿とさせる高速コーナーが連続するターン3からターン6、ホッケンハイムリンクのスタジアムセクションを思わせるターン12からターン15に注目。また、オープニングラップの1コーナーはドライバーが最適なラインを見つけるためにさまざまな方向に向かうため興味深いものになる。

また、この時期は短い周期で天候が変わりやすいが、今週末は暖かく最高気温は28度に達すると予想されている。降雨の可能性も低く、ドライバーにとっても比較的快適なコンディションとなりそうだ。

画像: 名物のタワーから見たサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。地形を活かして設計され、多様な高速コーナーがある一方で、トラクションが求められる低速コーナーも多く、しかも起伏に富んでいる。

名物のタワーから見たサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。地形を活かして設計され、多様な高速コーナーがある一方で、トラクションが求められる低速コーナーも多く、しかも起伏に富んでいる。

画像: サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコースレイアウト。反時計回りの全長5513mのコースに多様な20のコーナーが配される。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコースレイアウト。反時計回りの全長5513mのコースに多様な20のコーナーが配される。

スプリントフォーマットで行われた昨年はフェルスタッペンが圧勝

昨年のアメリカGPでは、予選3番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)のスタートダッシュが勝負の行方を大きく左右することになった。

レースはポールポジションのマックス・フェルスタッペンと2番グリッドのランド・ノリスのふたりの戦いになると予想されたが、スタートでソフトタイヤを履いたルクレールが抜群のダッシュを見せて、ターン1までにノリスをかわして2番手に浮上してしまったのだ。

21周目、ノリスはようやく2番手に上がったが、すでにフェルスタッペンに10秒の大差がつけられていた。さらにタイヤ交換を終えると再び、フェルスタッペン→ルクレール→ノリスのオーダーとなり、ノリスはまたもルクレールの攻略に時間を取られることになってしまう。

51周目にようやくノリスが2番手に再浮上したとき、残り5周でフェルスタッペンとの差は8.5秒もあった。これで勝負あり。結局1度もトップの座を脅かされることのなかったフェルスタッペンが、前日のスプリントに続いてトップチェッカーを受けた。

それまでマクラーレンの独走が続いていた2025年シーズンの戦いに、波乱の兆しが漂ってきたアメリカGPだった。

画像: 昨年のアメリカGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン。ルクレールとノリスの2位争いをよそに、一度も首位の座を失うことはなかった。

昨年のアメリカGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン。ルクレールとノリスの2位争いをよそに、一度も首位の座を失うことはなかった。

画像: 昨年アメリカGPのタイヤ戦略。レース前は「ミディアム→ハード」が想定されていたが、リアタイヤの摩耗が良好だったため、ほぼ全車が最終スティントでレッド(ソフト)タイヤを使用した。

昨年アメリカGPのタイヤ戦略。レース前は「ミディアム→ハード」が想定されていたが、リアタイヤの摩耗が良好だったため、ほぼ全車が最終スティントでレッド(ソフト)タイヤを使用した。

【参考】2025年F1第19戦アメリカGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)56周[25]
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+7.959s[18]
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+15.373s[15]
4位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+28.536[12]
5位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+29.678s[10]
6位 63 G.ラッセル(メルセデス)+33.456s[8]
7位 22 角田裕毅(レッドブル・ホンダRBPT)+52.456s[6]
8位 27 N.ヒュルケンベルグ(キックザウバー・フェラーリ)+57.249s[4]
9位 87 O.ベアマン(ハース・フェラーリ)+64.722s[2]
10位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+70.001s[1]
※[ ]=獲得ポイント

タイヤを供給するピレリは「アメリカGPにハード=C2、ミディアム=C3、ソフト=C4を供給します。昨年は最も硬いタイヤとしてC1を供給しましたが、決勝では使用されず、各チームはより柔らかいC3とC4を選択し、1ストップ戦略を中心としたレースになりました。今年はハードタイヤをC2としたことで長いスティントを走る選択肢が生まれると考えています。ただし、テキサスの週末は気温が高くなることが多く、高温によってタイヤのデグラデーションが進めば、複数回のピットストップを含む別の戦略が有利になる可能性もあります。各チームは気温や路面温度、タイヤの摩耗状況を慎重に見極める必要があるでしょう」と分析している。

画像: アメリカGP開幕を前にピレリが公開した分析データ。

アメリカGP開幕を前にピレリが公開した分析データ。

さて2026年はどんなレースとなるのか。F1第18戦アメリカGPは10月23日12時30分(日本時間10月24日02時30分)から始まるフリー走行で開幕。今年は通常のレースフォーマットで行われ、予選は24日16時(日本時間25日6時)から、決勝は25日15時(日本時間26日5時)から始まる。

2026年F1第18戦アメリカGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:10月23日12時30分〜13時30分(日本時間10月24日02時30分〜03時30分)
フリー走行2回目:10月23日16時〜17時(日本時間10月24日07時〜07時)
フリー走行3回目:10月24日12時30分〜13時30分(日本時間10月25日02時30分〜03時30分)
予選:10月24日16時〜17時(日本時間10月25日06時〜07時)
決勝(56周):10月25日15時〜(日本時間10月26日05時〜)

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