新プラットフォームが可能にした華麗なスタイル
まさかここまでスタイリッシュに変身するとは、誰しも想像していなかったのではないかと思う。初代からフォーマルなイメージが非常に強かったレクサスLSが、高らかに方向転換を宣言したとみていいだろう。
この流麗なクーペシルエットは、レクサスLCから投入された新開発のGA-Lプラットフォームの採用により可能になった。従来のロングホイールベース版、460Lと比較すると、ホイールベースは35mm伸び、全長は25mm、全幅は25mm拡大、さらに全高は15mm低くなっている。要は新プラットフォームによりワイド&ローで躍動感あるボディにすることができたわけだ。
それにしても、こうしたプロポーションだけでなく、ラグジュアリームードたっぷりのフロントフェイスや、リアコンビネーションランプの3方向に流れるようなデザインなど実に巧みだ。クーペのLCが登場したときに、LSの飛翔ぶりはそれなりに想像できたが、まさかここまで仕上げてくるとは見事としか言いようがない。
もちろんデザインだけではない。新開発のV6、3.5L、DOHCツインターボを投入、最高出力は421ps、最大トルクは600Nmを誇る。これに組み合わされるのはもちろんLCに搭載されている10速ATだ。
また、最先端の予防安全パッケージを初搭載した。これは「車両への追突、対歩行者、走路逸脱、交差点の出会い頭の衝突」という深刻な事故につながる4つのケースをカバーする。さらに自動操舵で衝突回避支援をするプリクラッシュセーフティを世界で初めて採用した。
今回はLS500のみの発表に留まったが、今後、新たなシステムとなるハイブリッドが発表されることは間違いない。11年ぶりのフルモデルチェンジで、一気にライバルを抜き去ることになるかも知れない。