1969年10月に発売された初代フェアレディZは、日本では税制に合わせて2L直6エンジン(L20型SOHC)が搭載されたが、メイン市場の北米では中速域で余裕のある2.4L(L24型SOHC)が搭載された。
その輸出仕様と同じエンジンを搭載した240Zが日本で発売されたのは1971年8月のこと。中でも注目されたのが、今回の主役である240ZGだ。レースでの戦闘力を高めるために、ノーマルの240Zより190㎜も長いGノーズを装着。空気抵抗の低減と、高速域での安定性向上を狙った。さらにワイドタイヤの装着を前提とした前後オーバーフェンダーまで装着され、全幅は30㎜拡大している。これが日本専用仕様だったのだから驚く。
搭載されたL24型エンジンには、SUキャブを2連装し、当時Z最強を誇った432(S20型24バルブDOHC搭載)に最高出力では10ps負けていたが、800回転低い4800rpmで3kgm強力なトルクを発生し、結果的に432に勝る運動性能を実現していた。最高速は210km/h、0-400m加速は15.5秒をマークしており、当時の国産車トップレベルである。
「よろしくメカドック」では主人公・風見潤が尊敬するチューナー・渡辺俊光(ナベさん)の愛車として登場。「キャノンボール・トライアル編」では、加速重視のチューニングでバン用のミッションにさらに手を加えたものに換装、当時はまだ珍しかった四輪ディスクブレーキを採用するなど、ベテランチューナーらしくツボをおさえたチューニングを施している。また「全日本ゼロヨンGP編」では、同じく240ZGをベースにしながらボディ外板をすべてFRP化して710kgまで軽量化、さらにトレッドを拡げホイールベースも延長して重心を下げ、スピンしにくいクルマに仕上げている。