1982年〜1985年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画「よろしくメカドック」。その作中には現代では名車と呼ぶにふさわしいモデルが多数登場する。今回はその中から、日本のライトウエイトスポーツカーの嚆矢となったトヨタ・スポーツ800をマンガの原画とともに振り返る。
画像: 「よろしくメカドック」では、たったひとりの女暴走族「女暴小町(すけぼうこまち)」こと小野麗子の愛車として活躍した。ⓒ次原隆二/NSP 1982

「よろしくメカドック」では、たったひとりの女暴走族「女暴小町(すけぼうこまち)」こと小野麗子の愛車として活躍した。ⓒ次原隆二/NSP 1982

1962年の東京モーターショーに参考出品されたパブリカスポーツの市販バージョンがトヨタ・スポーツ800だ。パブリカスポーツはスライディングキャノピーだったが、市販化にあたり普通のスイングドアに改められた。しかし極限まで軽量化された超空力ボディの基本フォルムはほぼそのまま残されている。安価に制作するためパブリカのコンポーネンツを多用しており、エンジンもパブリカ用の空冷2気筒OHVのボアを5㎜拡大して790㏄とした2U型を開発。クランクシャフトまわりを強化し、SUキャブレター2基と9.0の圧縮比で、45ps/6.8kgmのパワー/トルクを発生した。とはいえ明らかに非力。このハンディを覆したのが、わずか580kgの軽量ボディとCd値0.30の空力だった。4速MTを介した公称値は最高速度155km/h、0-400m加速18.4秒とライバルのホンダS600を凌いだ。

画像: 超軽量のボディはわずか580kg。航空機設計のノウハウが活用された。ルーフはタルガトップだ。

超軽量のボディはわずか580kg。航空機設計のノウハウが活用された。ルーフはタルガトップだ。

画像: パブリカ用2気筒水平対向エンジンをチューンして搭載。SUキャブの採用がスポーツカーの証。

パブリカ用2気筒水平対向エンジンをチューンして搭載。SUキャブの採用がスポーツカーの証。

画像: アルミ製のパネルにメーターが配されたシンプルなインパネ。空冷式エンジンだったため、ヒーターは外部燃焼式だった。シートは腰から背中をすっぽり包むバケットタイプ。

アルミ製のパネルにメーターが配されたシンプルなインパネ。空冷式エンジンだったため、ヒーターは外部燃焼式だった。シートは腰から背中をすっぽり包むバケットタイプ。

画像: 2シーターのライトウエイトとして、ホンダS600と数々の名勝負を繰り広げた。当時の新車価格は59.5万円。

2シーターのライトウエイトとして、ホンダS600と数々の名勝負を繰り広げた。当時の新車価格は59.5万円。

「よろしくメカドック」では、たったひとりの女暴走族「女暴小町(すけぼうこまち)」こと小野麗子の愛車として活躍した。連載当初から連載を通じて登場していたので、実は一番登場回数の多いクルマだったかも知れない。メカドックでメインテナンスやライトチューンを受けているようだが、具体的な内容には一切触れられておらず、恐らくノーマルのファインチューンだったと思われる。

画像: スペックで勝るセリカ1600GTVをぶっちぎり!? ⓒ次原隆二/NSP 1982

スペックで勝るセリカ1600GTVをぶっちぎり!? ⓒ次原隆二/NSP 1982

画像: 全車タルガトップだったトヨタ・スポーツ800。ⓒ次原隆二/NSP 1982

全車タルガトップだったトヨタ・スポーツ800。ⓒ次原隆二/NSP 1982

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