クリーンディーゼルが追加された
この春に日本でもデリバリーが開始された新型C4ピカソ。「新型」といってもマイナーチェンジだから、エクステリアは大きな変更はない。
今回のニュースは、308や508など、このところプジョーのラインアップに続々と追加されている「Blue HDi」というクリーンディーゼルモデルが、C4ピカソにも追加されたことだ。今回は、そのディーゼルエンジンを搭載した7シーターモデル「グランドC4ピカソ シャイン ブルーHDi」(380万円)に乗った。
安全装備が充実
ディーゼルモデルの追加に目が奪われがちだが、今回のマイナーチェンジのトピックは安全装備の充実だ。
ブレーキサポート付きアクティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニターなど、日本車に負けず劣らずの最新装備が標準で設定される。フランス車/イタリア車だと、ある意味、こうした装備は諦めなければならないことも多々あるのだが、安全面の装備充実は、イタフラ好きにとっては相当うれしいもの。
相変わらずのオリジナリティ
初代C4ピカソからつづく個性、それは他のクルマでは味わうことのできない開放感だ。
ガラスが頭上まで広がるスーパーパノラミックフロントウインドウは、まるでオーピンカーに乗っているような心持ちになる。いや、ドライバーだけでなく、助手席に座るオカーサンも、後席の子どもも、広いガラスルーフでその開放感を共有できるのがいい。
“空飛ぶじゅうたん”のような乗り心地
スタートボタンを押してエンジンを始動する。
現行C4ピカソはエアサスは使っていないのだが、シトロエンらしいフワッとした乗り心地は健在だ。コイル/ダンパーで、どうやってこの味を表現しているのか不思議でならないが、目をつぶって乗っても「シトロエン」だとわかるくらいのオリジナリティがあるから、このクルマは楽しい。
高速道路での走行。アクティブクルーズコントロールを試してみる。
じつは、マイナーチェンジ前のC4ピカソも、アクティブなクルーズコントロールが装備されていたのだが、走行中、急に割り込み車があった場合や、急に前車がブレーキをかけた場合など、なぜかクルーズコントロール自体がキャンセルされることがあった。
だが、新型はそんなことはなく、きちんと車間を取りながらクルーズしてくれる。前車が停車すれば、完全停止まで行ってくれるので安心だ。ただ、前車が停止からスタートした場合、自動でスタートする機能まではない。
高速ではレーンキープアシストも有用だ。レーンを外れるとかなり積極的にステアリング修正をかけてくるが、そこに妙な違和感はない。
気に入ったのは、制限速度を自動で認識する「スピードリミットインフォメーション」。カメラで速度標識を読み通知してくれるのだが、そのタイミングも良くわかりやすかった。
ディーゼルか、ガソリンか
C4ピカソ初搭載のディーゼルエンジンだが、1640kgの車重を動かすのには十二分のパワー/トルクがあることは確かだ。だが、ボクらがディーゼルエンジンに期待する「大トルク感」とはちょっと違い、かなりジェントルな印象だった。
じつは、ガソリンモデルに搭載される1.6Lターボエンジンが、これまたかなりよく走るモデルなのだ。7シーターのグランドC4ピカソで比較すると、ガソリンが355万円なのに対し、ディーゼルモデルは380万円と、そこには25万円の差がある。
この差をどう見るか。ハイオクと軽油の価格差、JC08モード燃費の違い・・・など、ランニングコストまで考えていくと、本当に悩ましい。個人的には、ガソリンモデルの素直さも好きだ。
ただ、クルマを購入するときの悩ましさ・・・って非常に楽しいもの。C4ピカソ購入を考えている人は、ディーラーで納得いくまで試乗して試乗しまくって、この悩ましさをぞんぶんに味わってほしい。
シトロエン グランドC4ピカソ シャインBlueHDi
●サイズ=4605×1825×1670mm●ホイールベース=2840mm●車両重量=1640kg●エンジン=直4DOHCディーゼルターボ1997cc●最高出力=150ps/4000rpm●最大トルク=370Nm/2000rpm ●車両価格=380万円