3月に日本上陸をはたした、新型C4ピカソ/グランドC4ピカソ。安全装備を充実したことがニュースだが、クリーンディーゼルモデルが追加されたのも大きな話題だろう。今回は、7人乗りのグランドC4ピカソ・ディーゼルを試乗する。
画像: 試乗したモデルは、グランドC4ピカソ シャインブルーHDi(380万円)。

試乗したモデルは、グランドC4ピカソ シャインブルーHDi(380万円)。

クリーンディーゼルが追加された

この春に日本でもデリバリーが開始された新型C4ピカソ。「新型」といってもマイナーチェンジだから、エクステリアは大きな変更はない。

今回のニュースは、308や508など、このところプジョーのラインアップに続々と追加されている「Blue HDi」というクリーンディーゼルモデルが、C4ピカソにも追加されたことだ。今回は、そのディーゼルエンジンを搭載した7シーターモデル「グランドC4ピカソ シャイン ブルーHDi」(380万円)に乗った。

画像: 150ps/370Nmを発生する2Lディーゼルターボを搭載。JC08モード燃費は18.0km/L。

150ps/370Nmを発生する2Lディーゼルターボを搭載。JC08モード燃費は18.0km/L。

安全装備が充実

ディーゼルモデルの追加に目が奪われがちだが、今回のマイナーチェンジのトピックは安全装備の充実だ。

ブレーキサポート付きアクティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニターなど、日本車に負けず劣らずの最新装備が標準で設定される。フランス車/イタリア車だと、ある意味、こうした装備は諦めなければならないことも多々あるのだが、安全面の装備充実は、イタフラ好きにとっては相当うれしいもの。

画像: 未来感のあるインテリア。6速ATのみの設定。パドルシフトは標準装備。

未来感のあるインテリア。6速ATのみの設定。パドルシフトは標準装備。

相変わらずのオリジナリティ

初代C4ピカソからつづく個性、それは他のクルマでは味わうことのできない開放感だ。

ガラスが頭上まで広がるスーパーパノラミックフロントウインドウは、まるでオーピンカーに乗っているような心持ちになる。いや、ドライバーだけでなく、助手席に座るオカーサンも、後席の子どもも、広いガラスルーフでその開放感を共有できるのがいい。

画像: スーパーパノラミックウインドウ。あるジャーナリストは「金魚鉢にアタマを突っ込んだような」と表現した。

スーパーパノラミックウインドウ。あるジャーナリストは「金魚鉢にアタマを突っ込んだような」と表現した。

画像: ガラスエリアが広いため、サンシェイドはスライド式となる。

ガラスエリアが広いため、サンシェイドはスライド式となる。

“空飛ぶじゅうたん”のような乗り心地

スタートボタンを押してエンジンを始動する。

現行C4ピカソはエアサスは使っていないのだが、シトロエンらしいフワッとした乗り心地は健在だ。コイル/ダンパーで、どうやってこの味を表現しているのか不思議でならないが、目をつぶって乗っても「シトロエン」だとわかるくらいのオリジナリティがあるから、このクルマは楽しい。

高速道路での走行。アクティブクルーズコントロールを試してみる。

じつは、マイナーチェンジ前のC4ピカソも、アクティブなクルーズコントロールが装備されていたのだが、走行中、急に割り込み車があった場合や、急に前車がブレーキをかけた場合など、なぜかクルーズコントロール自体がキャンセルされることがあった。

だが、新型はそんなことはなく、きちんと車間を取りながらクルーズしてくれる。前車が停車すれば、完全停止まで行ってくれるので安心だ。ただ、前車が停止からスタートした場合、自動でスタートする機能まではない。

画像: リアスタイル。5シーターのC4ピカソと7シーターのグランドC4ピカソは、このデザインが異なる。

リアスタイル。5シーターのC4ピカソと7シーターのグランドC4ピカソは、このデザインが異なる。

高速ではレーンキープアシストも有用だ。レーンを外れるとかなり積極的にステアリング修正をかけてくるが、そこに妙な違和感はない。

気に入ったのは、制限速度を自動で認識する「スピードリミットインフォメーション」。カメラで速度標識を読み通知してくれるのだが、そのタイミングも良くわかりやすかった。

ディーゼルか、ガソリンか

C4ピカソ初搭載のディーゼルエンジンだが、1640kgの車重を動かすのには十二分のパワー/トルクがあることは確かだ。だが、ボクらがディーゼルエンジンに期待する「大トルク感」とはちょっと違い、かなりジェントルな印象だった。

じつは、ガソリンモデルに搭載される1.6Lターボエンジンが、これまたかなりよく走るモデルなのだ。7シーターのグランドC4ピカソで比較すると、ガソリンが355万円なのに対し、ディーゼルモデルは380万円と、そこには25万円の差がある。

この差をどう見るか。ハイオクと軽油の価格差、JC08モード燃費の違い・・・など、ランニングコストまで考えていくと、本当に悩ましい。個人的には、ガソリンモデルの素直さも好きだ。

ただ、クルマを購入するときの悩ましさ・・・って非常に楽しいもの。C4ピカソ購入を考えている人は、ディーラーで納得いくまで試乗して試乗しまくって、この悩ましさをぞんぶんに味わってほしい。

シトロエン グランドC4ピカソ  シャインBlueHDi

●サイズ=4605×1825×1670mm●ホイールベース=2840mm●車両重量=1640kg●エンジン=直4DOHCディーゼルターボ1997cc●最高出力=150ps/4000rpm●最大トルク=370Nm/2000rpm ●車両価格=380万円

This article is a sponsored article by
''.