モーターショーやオートサロンに次ぐ規模を誇る、自動車関連産業のビッグイベント「人とくるまのテクノロジー展」は、2017年も驚くほどの盛り上がりと、圧巻の集客力を見せてくれた。そんな中で気になった、名門サプライヤー「SHOWA」の最新の取り組みを発掘調査。意外に知られていないけれど、これからの日本の自動車産業を面白くしてくれそうな、テクノロジー開発の一端をご紹介したいと思う。

ショックアブソーバなら世界一! が取り組む、極上のパワステシステム

「SHOWA」というと、真っ先に思い浮かぶのはやはりショックアブソーバ メーカーとしての強い存在感だろう。こと二輪車用製品としては世界シェアナンバーワンを誇り、四輪用でもコンペ向けも含めた高機能商品から低コストな汎用商品までラインナップは豊富で、非常に高い競争力を誇る。ほかにも、プロペラシャフトやデファレンシャルギヤなどを手がけている。

画像: www.showa1.com
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四輪車向けのパワーステアリング事業への取り組みに関しても、長い歴史を積み重ねてきた。1977年のギヤポンプ生産から始まっているというから、実に30年以上もの経験値が蓄積されていることになる。その成長は著しく、現在は年産400万台規模に達する。ちなみに最近では、2015年からシビックタイプRに採用され高い評価を博したm電動パワーステアリングシステム『DPA-EPS®』
を上市している。

画像: ショックアブソーバなら世界一! が取り組む、極上のパワステシステム
画像: 第 2 世代の『DPA-EPS®』システム(上の写真)は、最新技術を投入し 2020 年以降に上市される計画だ。高応答性とリニアリティの高さを極めながら、業界最軽量をターゲットとして開発が進められているという。左は現在すでに量産されている、第1世代だ。日本市場でも販売される北米仕様のホンダ シビックも採用している。

第 2 世代の『DPA-EPS®』システム(上の写真)は、最新技術を投入し 2020 年以降に上市される計画だ。高応答性とリニアリティの高さを極めながら、業界最軽量をターゲットとして開発が進められているという。左は現在すでに量産されている、第1世代だ。日本市場でも販売される北米仕様のホンダ シビックも採用している。

システムサプライヤーとして『ステアリング・サスペンション協調制御』を提案

そんなステアリング事業を核に、これからのショーワが目指しているのは「システムサプライヤー」としての技術の進化、深化だ。「独自の高付加価値商品を集中開発」と謳う。そのための開発の最前線として、栃木県の塩谷プルービンググラウンドの整備が、急ピッチで進められている。

栃木PGの第二期完成予想図パース。直線路、旋回路、特殊路に続く新しい目玉施設が、ヨーロッパやアメリカの郊外路面を模したワインディングコースだ。 長さは約1.5kmほどということだが高低差が12mもあり、繊細なハンドリング性能が必要な、かなりシビアな検証路となるという。

システムサプライヤーとしては、『ステアリング・サスペンション協調制御』がすでに提案されている。電動パワーステアリングと電子制御ダンパーの両方を手がけるショーワらしい、技術的アプローチだ。

電動パワーステアリングからの信号を電子制御式ダンパーの制御に役立て、ステアリングが切り込まれたときにダンパーの減衰力を上げるように指示すれば、コーナリング時の俊敏性が改善できます。ここでショーワは、ドライバーが操舵しようとする意図をいち早く検出できる信号を選定し、これをダンパー制御に活用する、いままでにない協調制御方式を考案。この結果、圧倒的に優れた俊敏性を実現できる目処が立ちました。(プレスリリースより)

俊敏性を高めながら、ドライバーが不安を感じるような挙動変化も、しっかり抑制してくれる。こうした協調制御は、とくに今、注目が集まっている大型のSUVでその恩恵は大きいという。

完成したプロトタイプを定量的に評価したところ、客観的な数値としても協調制御の効果が確認できたほか、官能評価では「クルマの質感が向上した」「以前はギクシャクした挙動だったが、協調制御を行うことでクルマとの一体感がより強く感じられるようになった」と のお客様からのコメントを得ています。(プレスリリースより)

さらに目指すは自動運転技術への参画。取り組みは始まっている。

そしてもうひとつ、これからのショーワの「システムサプライヤー」としての存在感を高めることになりそうな技術開発の核が、自動運転システムの領域だ。ステアリング開発統括部 システム開発部では、足まわりの部品開発が得意なショーワらしいノウハウを生かした、独自の自動運転システム開発がすでに数年前から進められているという。

画像: 「人テク」のショーワ・ブースでは、自動駐車システムの試験車両の映像が流されていたが、レーダーを使わないカメラによる画像処理だけで、巧みな「ハンドルさばき」を見せていた。「ショーワの自動システム」が、もしかするとひとつのブランドとして、次世代モータリゼーションの一端を担う日が来るのかもしれない。

「人テク」のショーワ・ブースでは、自動駐車システムの試験車両の映像が流されていたが、レーダーを使わないカメラによる画像処理だけで、巧みな「ハンドルさばき」を見せていた。「ショーワの自動システム」が、もしかするとひとつのブランドとして、次世代モータリゼーションの一端を担う日が来るのかもしれない。

同社のリクルートサイトでは、実際に現場で働く先輩たちのコメントを読むことができる。新しいショーワの取り組みを若い人たちの感性を通して覗いてみるのも、面白いと思う。

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