DAY1:ラリーを存分に味わった1日
4 月9 日(土)、DAY1 では合計48.719km、9 本のSS が用意された。スタート時の天候は晴れていたものの、前日に降った雨の影響で路面はところどころ濡れた状態。ドライバー竹岡圭は、全日本ラリー選手権への参戦は2 回目。やはりスタート前は緊張の面持ちだった。事前に行ったテストでは、ブレーキパッドとの相性が合わず、ぶっつけ本番で直前にNew ブレーキパッドを投入したこともあり、午前のステージは安全マージンを取りつつ走ったとのこと。
午後のステージは、途中で雨が降り出し、さらに濃い霧が発生。特にSS6 とSS7 に設定された峰の原は、他のドライバーもリズムが狂って難しいと口をそろえるステージ。それに加えて視界と路面も悪く相当苦労したようだ。コ・ドライバーの漆戸あゆみの励ましと、直前投入したNew ブレーキパッドの効きが功を奏して頑張れたという。また途中、SOS サインに遭遇。初の救助を体験するなど、「ラリー」を存分に味わった一日となった。
DAY2:走り方をいろいろ試しながらタイムアップを目指す
翌6 月11 日(日)のDAY2 はSS7 本、合計25.479km。天候は快晴。「とにかく完走を目指して、気を引き締めて頑張ります!」と出発。路面がほぼ乾いていたこともあり、DAY1と比べると格段に楽しい気分で走れている様子を見て、「このまま楽しく走るのもいいけれど、次のラリーにつなげるために攻めるのもひとつの手だ」と、小西監督がアドバイス。「ストレートスピードではなく、コーナリングスピードを上げる方法で攻めてみては?」と、後半ステージへ送り出した。
DAY2 のSS は、同じコースを2 度走るため、走り方をいろいろ試すなどしながら、タイムアップを目指していたようだが「昨日よりは走れている気がするけれど、思ったよりタイムが上がらない……」と、悩んでいた様子。また、SS6 で再びSOS サインに遭遇し、救助活動等々でも動揺してしまったとのこと。しかし、コ・ドライバーの的確なフォローもあり、無事にクラス4 位でフィニッシュした。
リザルト
ドライバー 竹岡圭 / コ・ドライバー 漆戸あゆみ
圭&mCrt ABARTH 500 YH
JN5 クラス
DAY 1(SS1~SS9):合計タイム 45:16.8
DAY 2(SS9~SS16):合計タイム 19:08.3
総合計タイム 1:04:25.1
クラス順位:4 位 / 総合順位:35 位
ドライバー竹岡圭のコメント
「モントレーin 嬬恋は毎年雨が降ることで有名ですが、晴れたり曇ったり降ったりガスったり…。本当に目まぐるしく変わるお天気に泣かされました。特に「滑る」「見えない」はかなり怖かったです。そんな中で、ペースノートの重要さを改めて思い知らされました。正確なペースノートの作り込みも今後の大きな課題のひとつですね。また、SOS サインに二回も出くわすなど、ドキドキすることもいっぱいありましたが、昨年度、このクラスのチャンピオン・コ・ドライバー、漆戸あゆみさんにたくさん助けていただきました。走ることに集中できるよう気遣ってくださったのはもちろん、タイミングよく元気付けるフォローまでしてくれて、本当に心強かったです。ラリーはチームワークで戦うものですが、サービスを出発したら2 人きり。コ・ドライバーとのコンビワークが本当に大切なんですよね。結果的には、気がついてみればクラス4 位というポジションに残れたという感じですが、チームみんなのおかげで完走できた!という実感を、一段と大きく感じることができたラリーでしたし、今後の目標がまたひとつしっかり見えてきたので、次戦に向けて一歩一歩頑張りたいと思います」。
小西監督のコメント
「2 戦目の大きなイベントを経験して、さまざまなラリーステージや天候下で走らなければならない難しさと適応力の必要性を学んだのではないかと思う。そんな環境下で自分の技量を出し切ることはなかなか難しいともいえるが、まずは2 戦目も完走、そして本人にも楽しむ余裕ができてきたことがよかった。チームとしては次戦以降もチャレンジ精神を忘れずに参戦していきたい」。
圭rally project 事務局より
日頃より応援してくださる皆様と、圭rally project を温かく受け入れてくださったラリー関係者の皆様のおかげで、今回も無事に完走することができました。今後も圭rally project と竹岡圭の成長を見守ってください。
フォトギャラリー
■写真:原田淳