降ったり止んだりの雨に翻弄されるグリッド。ポールのARTA NSX-GTをはじめとする多くのマシンはグリッド上でレインタイヤに交換する。この後スタート直前に雨脚が強まり、スリックタイヤをチョイスしたチームの戦略は裏目に。
2番手スタートのRAYBRIG NSX-GTが2周目からトップに立ち後続とのギャップを広げるが、37周目にSCが導入され差は詰まる。47周目にリスタートとなり各車が続々とピット作業を行うが、ペースの良いトップRAYBRIG NSX-GTと2番手に上がったEPSON Modulo NSX-GTは、再度ギャップを広げるためピットインのタイミングを遅らせる作戦に。
しかしピットインを翌周に控えていた48周目、複数個所のアクシデントにより再度SC導入。レギュレーションによりSC中はピット作業を行えないためトップ2台のNSX-GTは最適なタイミングでピットインできず、優勝戦線から脱落してしまう。
SC導入直前にピット作業を行ったDENSO KOBELCO SARD LC500とS Road CRAFTSPORTS GT-Rの2台は絶妙なピットタイミングにより何と全車を周回遅れに。そしてこの2台でファイナルラップまで壮絶なトップ争いを展開する。
優勝はDENSO KOBELCO SARD LC500、これでレクサスは開幕から4連勝。2番手には予選最後尾スタートのS Road CRAFTSPORTS GT-Rが今シーズンGT-R初表彰台を獲得。3メーカーで唯一ニューエンジンを投入したGT-R勢の面目躍如。そして周回遅れながら3位入賞のWAKO'S 4CR LC500がGT500クラスランキング首位となった。
GT300クラスでも同様に、ピットタイミングでトップに躍り出たGAINER TANAX AMG GT3がその後も安定したペースで走り続けトップチェッカーを受けた。
(PHOTO:井上雅行)