TCRマシンにとっては未知の10時間
ヨーロッパのツーリングカー選手権向けに規定されたTCR車両は、本来はスプリントレースとしての用途が主流。ニュルブルクリンク耐久シリーズ等に用いられることもあるが、10時間もの長丁場というのは国内では未知の領域。特にメインストレートの長い富士スピードウェイでは高いアクセルの全開率、ハードなブレーキング、等によるマシンへのストレスの蓄積がどのような結果を生むのか、世界的にも注目度の高いレースと言えるだろう。
Audi RS3 LMSの連続ポールをストップ!
2017開幕戦より続いた45号車LIQUI MOLY RS3 LMSのST-TCRクラス4連続ポールだが、第5戦富士で10号車Racingline PERFORMANCE GOLF TCRがAudiの連続ポールをストップ。シリーズ途中参戦ながらそのポテンシャルの高さにライバルチームのみならず他クラスのユーザー達からも注目を集めた。
10時間、298周を走りきりクラス優勝を飾る
レース終盤に接触による軽微なダメージはあったが、給油とタイヤ交換以外の作業はブレーキパッドの交換のみ。ほぼノントラブルでタフな10時間を走りきった10号車Racingline PERFORMANCE GOLF TCRが2位の19号車BRP Audi Mie RS3 LMSに5周もの大差をつけて参戦2度目で見事勝利を飾った。これまでの4戦中98号車CIVICが3勝、97号車が1勝とCIVICの4連勝であったが、この記録をを止めたのもGolfであった。
来年は24時間レースとなることが決定
実はこの富士でのシリーズ戦、来年は6月上旬に24時間耐久レースとして開催することが発表されている。さらに過酷さを増した争いが展開される来年の富士SUPER TEC、追って詳細は発表されるとのこと。モータースポーツファンにとってはこのスーパー耐久選手権、今に増して目が離せない存在となるに違いない。
(PHOTO:井上雅行)