VIVAC 86 MCが今年3度目のポール
シリーズランキングトップの25号車VIVAC 86 MCは今回82kgものウェイトハンディを積載。予選Q1ではエース松井孝允をもってしても、カットラインギリギリの14番手で何とか通過。Q2アタッカーの山下健太に全てを託す。実はこのドライバー、前週行われたスーパーフォーミュラもてぎ大会ではルーキーながらポールポジションを獲得するなど、ただ今絶好調。そして、このスーパーGTでもルーキーながら予選Q2でGT300コースレコードタイムをたたき出し、見事ポールポジションを獲得。2番手18号車UPGARAGE BANDOH 86、3番手に5号車マッハ車検 MC86 GTNETと続き、マザーシャシー勢が予選を席巻することとなった。
スタート直後から分かれる戦略
1000kmの長丁場レース、GT300クラスも5回のピットイン、ドライバー交代が義務付けられている。順当なスタートを経て25号車を先頭としてマザーシャシー3台が1周目を終了。そして2周目に突入、というタイミングでピットに駆け込む1台のマシンが。65号車LEON CVSTOS AMGだ。トラブルか?と思いきやドライバー交代のみ行いすぐにコース復帰。GT500クラスに比べて燃料消費量が少ないGT300クラスは1000kmであれば4回の給油でクリアできる、という判断で実質的な4ストップ作戦に出たのだ。
見えない相手との闘い
他車とピットタイミングをズラしコースクリアな序盤を走行した65号車AMG、レース中盤にタイヤ無交換作戦もこなす25号車86MC。どちらかがピットインする度にトップが入れ替わるシーソーゲーム。しかしお互いに直接顔を合わせることがないままレース終盤へ。そしていよいよ最後のピットイン、127周目に25号車が山下健太から松井孝允へ、131周目には65号車、こちらは黒澤治樹から蒲生尚哉へそれぞれ運命のステアリングを託す。
残り20数周、初めての直接対決!
両車がピットアウトした時点では25号車86MCは65号車AMGの遥か前方。しかし冷えた路面にブリヂストンタイヤがマッチしたのか、65号車が1周1秒以上速いラップタイムで見る見るうちに差を詰める。そしてついに150周目の1コーナーで25号車を捉え抜き去る。65号車について行くことができないまでも、シリーズランキングを見据えて2位のポジションは死守したい25号車。しかしこの4周後の154周目、逆バンクで仰向けにクラッシュしてしまう。これにより痛恨のノーポイント、それだけでなく次戦タイ戦までの修復さえも危ぶまれることとなってしまう。
ボーナスポイントによりランキング首位が入れ替わる
規定時間によりGT300クラスは158周でチェッカーとなり、65号車LEON CVSTOS AMGが勝利、ボーナスポイントを加えてシリーズランキングトップに浮上した。2位、3位にはランボルギーニ・ウラカンGT3の88号車マネパ ランボルギーニ GT3、87号車ショップチャンネル ランボルギーニ GT3がチーム内バトルの末、表彰台に上った。前戦までのランキング首位、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは19位完走のノーポイントで2pt差のランキング2位に、不運の25号車は10pt差で3位。
尚、修復が危ぶまれた25号車は船便には間に合わないものの、空輸することでタイ戦への出場が可能になる模様。
(PHOTO:井上雅行)