
右から株式会社ブリヂストン イノベーション本部主任部員の小平美帆さん、パラトライアスリートの秦 由加子選手、株式会社ブリヂストン オリンピック・パラリンピックマーケティング推進部の鳥山聡子さん、ブリヂストンサイクル株式会社 経営戦略本部・渋谷淳一さん。
スポーツ義足用ゴムソールなどの開発に着手
これまでもブリヂストンサイクルやブリヂストンスポーツでは、独自の分析・解析技術を活用し、個々のアスリートに最適なツールの提案やカスタマイズ、使い方のアドバイスも行ってきた。こうした技術支援を結集し、パラアスリート個々の特徴に合わせて応用、展開していくという。新ツールの開発としては、チームブリヂストンのパラアスリートを中心に、スポーツ義足用ゴムソールと車いす競技グローブ用ゴムの開発から取り組みをはじめる。

これが秦選手のスポーツ義足用ゴムソール。
パラトライアスロン選手 秦 由加子さん
スポーツ義足用ゴムソールについては、パラトライアスロンの秦 由加子選手と開発を進めている。

秦 由加子選手は1981年千葉県出身。13歳で骨肉腫を発症、右足の大腿部切断を余儀なくされたが、2008年障がい者水泳チームで水泳を再開、2012年にトライアスロンに転向した。
秦選手は膝上切断でトライアスロンを行っている唯一の日本人選手。10月8日にフロリダ州サラソータで行われたパラトライアスロンワールドカップでPTS2女子の部で優勝するなど、2020年東京パラリンピックでもメダルが期待される注目選手だ。
ブリヂストンが培ってきた、「路面を問わないタイヤ開発」の技術を活かし、どんな場面でも100%のパフォーマンスが発揮できる義足用ソールの開発に着手している。昨シーズンまでは膝関節がアルタイプの義足を使用していたためにヒザを曲げて走っていたが、今シーズンからはヒザの曲がらないストレートタイプの義足に変更したことで、股関節を使って外側から足を持ってくるランニングフォームに改良している。
パラトライアスロン 秦 由加子選手(ブリヂストン)
youtu.be秦選手は「パラトライアスロンの場合、スイムもありびしょびしょのまま走ったりしますので、滑りやすいこともあります。またヨーロッパなどでは石畳など特に滑ります。以前は体調が100%でも義足が滑り、思うように走れないということがたびたびあったんですが、ブリヂストンさんが開発してくれたソールのおかげで安心して競技に集中することができました」と語った。
ブリヂストンとオリンピック/パラリンピック
ブリヂストンは、2014年より国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドオリンピックパートナーとして、東京2020オリンピックを含む2024年夏季オリンピックまでの公式パートナー契約を締結している。また2016年より東京2020パラリンピックのゴールドパートナーとしてパラリンピック日本代表選手団へのサポートも行っている。