レンジローバー ヴェラールのディーゼルモデルも、やっぱりスポーティ
オフローダーの名門一家、レンジローバー兄弟にヴェラールが加わったのは2017年7月のこと。最新モデルの立ち位置はどこなのかというと、長兄の“レンジローバー”、次兄のレンジローバー “スポーツ”、三兄のレンジローバー “ヴェラール”ときて末弟のレンジローバー “イヴォーク”だという。兄弟と言っても長兄より約180mmも低い全高やカドのない丸みを帯びたボディラインなどからも、兄たちとは一線を画す存在であることはよくわかる。
エンジンは3種類あり、ガソリンの3L V6スーパーチャージャーと2L直4ターボ、ディーゼルの2L直4ターボとなっている。この3つをベースにエンジン出力や装備の違いなどによって32ものグレードが設定されている。
実は以前にこの3Lモデルに試乗したとき、砂漠のロールスロイスとも呼ばれたレンジローバーの兄弟とは思えないオンロード志向の強い走りに驚かされたばかりだ。そして、このモデルに少し遅れて日本に入ってきたのが、今回乗ることのできた2L直4ディーゼルターボ(180ps/4000rpm・430Nm/1750rpm)を搭載したバージョンだ。
スタンダードグレードは699万円〜という価格設定や上位モデルで感じた高いスポーツ性も望めるとあって、期待とともにコックピットへ乗り込んだ。不安要素、ディーゼルエンジンがスポーツ性をスポイルするのではないかという気持ちも確かにあった。しかし、走り出してしまえばそれもあっという間に吹き飛んでしまう。
それもそのはず、この自社製INGENIUM(インジニウム)エンジンは、スポーツカーメーカーであるジャガーのサルーン「XE」や「XF」に搭載されているのだから当前と言えるかもしれない。
とくにディーゼルとは思えない加速時のエンジン音と排気音がエモーショナルなこと。ヴェラールのスタイリングによく似合う。ゼブラゾーンこそ4000rpm(レッドゾーンは4800rpmあたり)からと高くないものの、そこまでヒューンとまわり、430Nmという大トルクにのって予想以上の加速を見せてくれる。
アイドリングや発進時にディーゼルらしい音をわずかに聞けるくらいで、その回転フィールはごくスムーズで軽快だ。走りだって3Lモデルと同様ロールをおさえめにしたフラットな回頭性が気持ちいい。
じゃあ、ワインディングが似合うのか?と聞かれるとそういうわけでもない。ゆったりとどこまでも、ロングツーリングを愉しみたくなるモデルだ。どっちにしても、ジャリ道よりアスファルトの方がよく似合う、そんな都会派SUVではないだろうか。
とは言ってもレンジローバーファミリーだ。オフロード性能に抜かりはない。長兄譲りの4WDシステムや6つの走行モードを備えたテレインレスポンス(オンロードや雪道、砂地、泥地など)など、悪路走行をサポートしてくれる機能を標準装備しているので安心してオフロードへ連れ出せる。
レンジローバー ヴェラール D180 HSE:主要スペック
●サイズ=4820×1930×1685mm
●ホイールベース=2875mm
●車両重量=2020kg
●エンジン=直4DOHCディーゼルターボ 1999cc
●最高出力=180ps/4000rpm
●最大トルク=430Nm/1750rpm
●駆動方式=4WD
●1005万円