よりスタイリッシュな新デザインに
日本では2014年に上陸。そしてこの3月にマイナーチェンジを行ったルノーのBセグメントSUVがこのキャプチャーだ。
まずはマイナーチェンジの概要を見ていこう。わかりやすいのはフロントのデザイン変更。フルLEDヘッドランプや、ルノーの最新デザインアイコンでもあるCシェイプフロントLEDランプ、コーナリング機能付きLEDフォグランプを採用し、よりスタイリッシュになったのがわかる。また前後バンパーの下にスキッドプレートが装着されたことで、SUVらしい力強さも醸し出している。
またリアにも立体的なLEDランプを採用、スッキリとした締まり感のあるスタイリッシュさを手に入れている。
キャプチャーを日の光の下で見ると、まるで生き物のように思えてくるから不思議だ。
最近のカーデザインの傾向として、ボディの直線的なキャラクターラインを目立たせる手法が多く見られるが、このキャプチャーは、そんな流行とは異なるアプローチだ。
ふくよかな曲線でヌメッとした有機的なボリューム感がある。晴れ、曇り、雨の日で違う表情を見せるのは、さすがルノーのデザイン担当役員ヴァン・デン・アッカー氏の力量だろう。こうしたカーデザインの話になると、どうしても個々人の感覚や感性の問題で片付けられることもあるのだが、でもやっぱりカッコイイし飽きがこないデザイン。このクルマがガレージにある生活を想像するとときめいてくる。
室内に入る。基本的なデザインは変わらないが、2トーンの内装やソフトタッチ素材のダッシュボードなどで質感は向上している。このマイナーチェンジで、R&Goと呼ばれるスマホアプリと連動できるラジオを装備したのは嬉しい。
じつはロングドライブが得意なコンパクトSUV
カード型キーをセンターコンソール下部にあるスロットに挿し、ボタンを押してエンジン始動、走り出す。
ルノー・ジャポン広報によると「メカニズムは基本的にマイナーチェンジ前と後では変わっていません」とのことだが、6速のEDC(エフィシエントデュアルクラッチ)の微低速時でのマナーは明らかに良くなっている。パドルシフトはないが、セレクターレバーをDモードから左に倒せば、押してシフトダウン/引いてアップのマニュアル変速も可能だ。
エンジンは、ルノーモデルではもうおなじみとなった、H5F型1.2L直噴ターボ。最高出力は118ps、最大トルクは2000rpmから205Nmを発生するので、低速から力強く発進加速する。ヒルスタートアシストも付くため、坂道発進も怖くない。
ルノー車っぽさを味わえるのは、やはりシートだろう。座ったタッチは硬めなのだが、身体にしっくりと馴染み、長時間座っていても疲れない。ハンドルセンターも神経質でないため、Bセグメントモデルながら長距離のドライブにも向いている。
エクステンデッドグリップとは?
パーキングブレーキレバーの右には見慣れないダイヤルが。これはマイナーチェンジで装着された「エクステンデッドグリップ」のダイヤルだ。キャプチャーはFFのみだが、これは路面状況に応じて3つの走行モード(標準モード/ソフトグラウンドモード/エキスパートモード)を切り替えることで駆動力を最適に制御する・・・というもの。
基本的には標準モードに入れておけばOKだが、雪や泥などの路面には「ソフトグラウンド」を選ぶと駆動輪を適切に空転させ、グリップを確保。エキスパートモードは自分でアクセルコントロールができる上級者向けのモードだ。
FFでもこれ、確かにかなりの走破性を発揮する。ただし本格4WDシステムではないので、そこだけは頭に入れておきながらムリをせず楽しんでもらいたい。
この春、ルノーSUVの兄貴分、カジャーも登場した。日本上陸から4年、こうして新しくなったキャプチャーも、ルノー車ラインアップのなかでより立ち位置が明確になっている。
今回、乗っているときも眺めているときも、なんだか一日ワクワクしていた自分がいた。生活に潤いを与えてくれるフレンチコンパクトSUV。クルマの魅力って、スペックだけじゃ語り尽くせない。
ルノー キャプチャー インテンス 諸元
●全長×全幅×全高=4135×1780×1565mm
●ホイールベース=2605mm
●車両重量=1280kg
●JC08モード燃費=17.2km/L
●エンジン=直4DOHCターボ
●排気量=1197cc
●最高出力=118ps/5000rpm
●最大トルク=205Nm/2000rpm
●トランスミッション=6速EDC(DCT)
●駆動方式=FF
●車両価格=269万9000円