この半年あまりの間に日本へ上陸した輸入車のニューモデルをピックアップした試乗記の短期集中連載をお届け中。第3回目は2017年10月に日本で発表された第三世代となる「BMW X3」だ(この記事はMotor Magazine Mook「輸入車年鑑2018」に掲載したものの抜粋です)。
画像: BMW X3 x Drive20d Mスポーツは、もっともオススメできるグレードと言っていいだろう。

BMW X3 x Drive20d Mスポーツは、もっともオススメできるグレードと言っていいだろう。

期待どおりの動力性能の高さ

2000年に発表された初代X5から始まったBMWのSUVラインナップ戦略。4月16日にX2が披露され、さらにコンセプトモデルとしてではあるものの、アッパーエンドを受け持つX7の姿も公になった現在、「X」の文字が与えられるこのカテゴリーのフルラインナップ化も、いよいよその完成が間近だ。

画像: 外観は大きくは変わっていないがすべての面で細やかにアップデート。

外観は大きくは変わっていないがすべての面で細やかにアップデート。

もっとも「駆けぬける歓び」というフレーズを“社是”のごとく掲げるこのブランドの場合、自身の作品がいわゆるSUVとは認めていない。航空機用エンジンに端を発する歴史の持ち主であるこのブランドが謳うのは「SAV」なる見慣れぬ記号。自らが世に送り出すのはSport UtilityVehicle ではなく、あくまでも“SportActivity Vehicle”というメッセージがそこには込められている。

そんな数あるSAVの中でも、重要なポジションを占めるのが、X5に続いて初代モデルが2003年に発表されたX3。ここに紹介するのはその3代目となるモデルだ。発表は2017年秋に開催されたフランクフルト国際モーターショーで、同年末には日本でのデリバリーも開始されている。

画像: 日本仕様にはこの2L 直4ディーゼルターボと、最高出力は同じ180psのガソリン2L 直4ターボを用意。

日本仕様にはこの2L 直4ディーゼルターボと、最高出力は同じ180psのガソリン2L 直4ターボを用意。

本国ではガソリン、ディーゼルエンジンともに6気筒バージョンの設定もあるものの、日本に導入されるのはいずれも2Lのガソリン、ディーゼルのターボ付き4気筒エンジン車のみ。

とくにガソリンモデルには最高360psを発する強力エンジンを搭載したバージョンも新設定されているだけに、まさに駆けぬける歓びを味わわせてくれるそうしたモデルが日本には導入されないのは残念なところだ。

画像: 質感高く仕上げられたインテリアは立体的でボリューム感のある形状。機能面でも先進装備を多く採用している。

質感高く仕上げられたインテリアは立体的でボリューム感のある形状。機能面でも先進装備を多く採用している。

その一方で、それでは日本仕様の走りに不満があるかというと、そうした印象は抱かないのもまた事実。とくにスタートの一瞬にこそわずかに“重さ”を意識させられるものの、そこを過ぎれば低回転域からすこぶる太いトルクを発揮してくれるディーゼルエンジン搭載モデルの動力性能は、良く出来た8速ATとのコンビネーションとも相まって、期待していた以上だった。

画像: スクエアで使いやすそうなラゲッジルーム。通常時550L、最大で1500Lの容量まで拡大する。

スクエアで使いやすそうなラゲッジルーム。通常時550L、最大で1500Lの容量まで拡大する。

ランフラットタイヤを装着するものの、それによる快適性へのマイナス面は最小限である一方で、ハンドリングの自在度の高さは「さすがはBMWの作品」と納得できる。結局のところ、見栄えよりも走りで勝負」と改めてそう認識をさせられる、BMW発の最新Xモデルだ。(文:河村康彦)

主要諸元 <BMW X3 xDrive20d Mスポーツ>

全長×全幅×全高=4720×1890×1675mm ホイールベース=2865mm車両重量=1860kg エンジン=直4DOHC ディーゼルターボ1995cc 最高出力=140kW(190ps)/4000rpm 最大トルク=400Nm(40.8kgm)/1750-2500rpm トランスミッション=8速AT 駆動方式=4WD JC08モード燃費=17.0km/L タイヤサイズ=245/50R19 車両価格=7,100,000円

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