現在では、新型車のステアリングのほぼ100%がラックアンドピニオン形式のステアリングギアボックスを採用しているが、昭和の時代にはRB形式も存在していた。では、どのような機構だったのか。

文:飯嶋洋治

ハンドル操作はスムーズで軽いフィーリングだった

近年のモデルでステアリングギアボックスは、円形の歯車(ピニオン)と、これとかみ合うように歯切りをした平板(ラック)の組み合わせによって操舵するラックアンドピニオン形式が主流となっている。

これよりも以前、RB形式が採用されているモデルも多くラインナップされていた。RBとは、ステアリング操舵方式のひとつで、リサーキュレーティング・ボール(Recirculating Ball)、またボール&ナット式とも言われている。

画像: 117クーペのRB式ステアリングギアボックス。

117クーペのRB式ステアリングギアボックス。

ステアリングを回すと、ステアリングシャフト=ウオームシャフトも回転してボールナットが動く。これと連動して、ギアで噛み合った扇型のセクターギアが回転する仕組みだ。その回転がタイロッドに伝えられタイヤが切れる。

ポイントは、ウオームシャフトとボールナットの間に入ったボールベアリングで、これがスムーズな動きを可能としていること。現代で多くなったラックアンドピニオン形式よりもハンドルを軽くすることができるというメリットがあった。しかしその反面、ダイレクト感に欠けるや、部品点数も多くなるとういうデメリットもあった。

パワーステアリングの普及に伴って、ラック&ピニオンに替わるようになった。

画像: ギャランGTOのRB式ステアリングギアボックス。ボールベアリングがあることで、ステアリングの操舵力が軽くなるメリットがあった。

ギャランGTOのRB式ステアリングギアボックス。ボールベアリングがあることで、ステアリングの操舵力が軽くなるメリットがあった。

画像: ギャランGTOにもRB式ステアリングギアボックスが採用されていた。

ギャランGTOにもRB式ステアリングギアボックスが採用されていた。

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