驚きの3段の器に飾られた栃木自慢の食材たち!
「すごいもん、来たぞ!」と、出てきた料理にびっくり。同行したカメラマンは、あわてて追加の撮影機材をクルマに取りに駆け戻るほどです。なんと、器が展示台のように3つの台座が生えており、そこに料理が置かれていたのです。こんな立体的に飾られた料理は初めて。
実は、この料理は平成29年度のNEXCO東日本新メニューコンテストの出品作品。そして、今回のコンテストでは「SNS映えするアイデア」が審査項目のひとつに挙げられていたのです。つまり、驚きの3段の器はSNS映えをよくするために採用されたものだったのです。
しかし、この3段の器はレストラン側には大変な負担を強いります。なんとひとつが2万円弱。経済的負担が大きいんですね。さらに、運ぶホール係も大変。もちろん皿洗いだって面倒です。
それでも、この大胆な器を採用したのには理由がありました。
「今回のコンテストは、どうしても勝ちたかったんです」とお店のスタッフ。聞けば、レストランの責任者が今年限りで定年退職するとか。48年勤めあげた彼のために予算も手間も度外視した料理が誕生したというのです。ちなみにコンテストでは、おしくもグランプリは逃しましたが審査委員特別賞を獲得。無事に有終の美を飾ることができたようです。
そんな器からすごいわけですから、料理のクオリティの高さは言わずもがな。3段の飾り台にあるのは、「那須鶏の西京味噌焼き」「那須野々原牛のたたき」「ゆめポークの角煮」。地元が誇る、鶏・牛・豚をドンと用意しました。これが最高です。鶏は味が濃くて、牛は噛みしめるほどにうま味が口に広がります。そしてトロトロの角煮は、甘さの中に上品さを感じることできます。
岩魚のフライはパプリカを切ったお皿に乗っており、お魚も野菜も両方いただけるという工夫。すいとん汁の豪華さにも驚きましたし、カブを使った野菜寿司や湯葉さしなど、ひとつひとつが凝りに凝っています。
さらに白美人ねぎチーズ仕立ての美味しさも特筆もの。那須にきたら、地元のねぎはぜひとも試してみるべきですね。
いろいろな食材を少しずつ、たくさんいただけるメニューで、食べ終わってみれば、おなかも相当に満足できるボリュームでした。ぜいたく感がとんでもなく高いメニューといえるでしょう。夏が過ぎると、販売が終了してしまうそうなので、この夏に那須高原を通るときは忘れずに立ち寄ることをおすすめします。
那須高原SA(下り)
至 東京 那須IC → 那須高原SA(下り) → 白河IC 至 福島
東北自動車道のスタート地点となる川口JCTから那須高原SAまでは約160km、2時間少しという距離だ。文字通りに、那須高原の最寄りの大型のSAで、周辺には観光スポットが数多く存在している。東北への旅行の休憩ポイントとしてもおすすめだ。
■文:鈴木ケンイチ/写真:伊藤嘉啓