タイヤは一度選んだら、長く履き続けていくもの。だからタイヤ選びは失敗したくない。そこで、長期間タイヤを履いて、日常のあらゆるシチュエーションでのタイヤの乗り味をレポートするこの企画。今回は、コンチネンタル MaxContact MC6(マックス・コンタクトMC6)の第2回目。ルノー・メガーヌ スポーツツアラーGTに履いている。
画像: 装着したのはルノーの新型メガーヌ スポーツツアラーGT。タイヤサイズは225/40R18 92Y XLだ。

装着したのはルノーの新型メガーヌ スポーツツアラーGT。タイヤサイズは225/40R18 92Y XLだ。

第1回目では、履き換えて最初の印象をレポートした。東京から千葉・房総まで往復250kmの走行を行い、途中ワインディングや一般道での印象を書いた。それから2週間、日常遣いや取材の足として、およそ1000kmほど走行している。

今回は、梅雨ということもあるので、まずはウエット路走行の印象から。

ウエット:前後グリップだけでなく、横グリップも強い

画像: ウエットグリップは駆動/制動の前後グリップだけでなく、コーナリングの横グリップも優れている。この梅雨の時期でも安心のドライブができる。

ウエットグリップは駆動/制動の前後グリップだけでなく、コーナリングの横グリップも優れている。この梅雨の時期でも安心のドライブができる。

晴れの日に比べると、雨の日の事故の割合は約4倍にも上がるそうだ。だからウエット性能は、いまタイヤ選びで欠かせない要素になっている。

マックス・コンタクトMC6のトレッドパターンを見ても、4本の太いストレートグルーブから、ウエットに強い印象を受けるのだが、実際に雨の日に走行してもその期待を裏切らない。

目視でも水たまりが浮いているような、かなりヘビーなウエット路でも、発進加速/制動の前後グリップは良い。コンチネンタルのカタログ資料には、あまりウエット性能に関しての記述はないが、とにかくハンドルに伝わってくる加速感/制動感が安定していて、運転して安心感があるのだ。

コーナリング時の横グリップもそう。高速道路のインターチェンジ合流のような小さいコーナーで、試しにアクセルペダルを踏み加速していっても、まるでドライ路面を走っているときのように手応えがある。フロントだけでなくリアも付いていくので、腰砕け感はない。
そこからさらに踏んでいくと、フロントから外に逃げていこうとするが、その挙動も穏やかで手に取るようにわかる。落ち着いてアクセルペダルを戻していけば、これまた穏やかにグリップを取り戻していく。

画像: 雨の日は、晴れの日に比べると、事故発生件数は約4倍にもなるという。

雨の日は、晴れの日に比べると、事故発生件数は約4倍にもなるという。

このマックス・コンタクトMC6をWebなどで調べたとき、「タイヤ・グレーディングがない」ことに対して不安になる人もいるだろう。タイヤに興味のあるユーザーはなおさらだ。

転がり抵抗性能とウエットグリップの性能を「等級」で表すタイヤ・ラベリング制度は、平成22年の開始から8年が経ち、ユーザーにもよく知られるものになった。ただしこのタイヤ・ラベリング制度というのは、JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)という業界団体が実施しているもので、マックス・コンタクトMC6を販売しているコンチネンタルタイヤ・ジャパンは行っていない。じつはそんな事情もあったりする。

タイヤラベリング制度のグレーディングが付いていないマックス・コンタクトMC6だが、レポートのようにウエットグリップは良いので、この梅雨の季節でも安心していい。

高速道路走行:マイルドな路面アタリ感

1カ月ジックリとタイヤを履いてみると、短期間の試乗ではわからないことが見えてくる。

高速走行では、速度が上がるほど、しっかり感、剛性感が出てくるのがドイツブランドらしいところ。ただしこういうタイヤは従来、街乗りレベルの低速〜中速域になると、「硬い乗り味」「アタリ感が強い」と言われるのが常だった。

だがこのマックス・コンタクトMC6、路面へのアタリがマイルドなのだ。スポーティタイヤながら、街乗りだとともすれば不快と捉えられてしまうような「タイヤの強さ」を感じさせない。つまり、我慢がいらない。

前回のレポートで、「パターンノイズの『シャー』音が気になる路面がある」と書いたのだが、距離を走っていくうちに、同じ場所を通ってもシャー音は明らかに少なくなった。すでにタイヤ履き換えから1000kmほど走行したので、新品時の表面の皮むけがすんだのかもしれない。

「静かなタイヤ」と表現するほどはノイズレベルは低くないが、普段遣いでノイズが気になるシーンもない。このグリップレベルでこの音なら、文句はない。

画像: 高速道路走行ではしっかり感の強いタイヤの印象だが、一般道を走行すると路面アタリがマイルドで、まるで不快感がないのが逆に不思議に思えてくる。

高速道路走行ではしっかり感の強いタイヤの印象だが、一般道を走行すると路面アタリがマイルドで、まるで不快感がないのが逆に不思議に思えてくる。

「アジアパシフィック市場向けタイヤ」という意図


ブリヂストンをはじめとした、国産タイヤメーカーが数多くある日本。だから一般的な日本のクルマユーザーには、コンチネンタルというドイツのタイヤブランドは、あまり知られていないだろう。

だがグローバルな視点で見てみると、2016年の売上高ベース世界タイヤ市場シェアでは、ブリヂストン(14.6%)/ミシュラン(14.0%)/グッドイヤー(9.0%)のいわゆる「ビッグスリー」に続く4番目に、コンチネンタル(7.1%)が入ってくる。

また輸入車オーナーならば、メルセデス・ベンツやBMWなどに標準でコンチネンタルのタイヤが装着されているのを目にしているだろう。コンチネンタルは、プレミアムブランドにも多く純正採用されている、プレミアムなタイヤブランドでもある。

マックス・コンタクトMC6は「アジアパシフィック市場に向けたタイヤ」という立ち位置だ。だが、こういう位置づけを邪推すると、ともすれば「安さ」を売りにしたタイヤ・・・とネガティブに捉えられてしまう可能性もある。だがそれは、マックス・コンタクトMC6の技術を見れば、そうではないということに気づくだろう。

ひとつ、例に挙げてみよう。アジア市場、こと日本市場においては、タイヤの静粛性が重要視される。たとえばストレートグルーブの中に設けられた突起「ノイズ・ブレーカー2.0」は、ロードノイズの主な原因となる「気柱共鳴音」を抑えるための技術。スポーティタイヤでも、日常の使い勝手を考えて、また日本のユーザーの要求を満たすためにテクノロジーを投入しているのがわかる。

画像: これが「ノイズ・ブレーカー2.0」。気柱共鳴音と呼ばれる、響くノイズを少なくする効果があるという。

これが「ノイズ・ブレーカー2.0」。気柱共鳴音と呼ばれる、響くノイズを少なくする効果があるという。


クルマだけでなく、さまざまな商品でグローバル化が叫ばれる昨今だが、ことタイヤに関していえば、ヨーロッパ、アメリカ、そしてアジア地区では路面も環境も異なる。さらに言えば、流行の車種も異なる。

そういう意味では、マックス・コンタクトMC6の「アジアパシフィック市場向け」という言葉は、前向きに捉えるべきだ。ヨーロッパにおいては、認知度もブランド力も圧倒的なコンチネンタルだが、日本を含めアジアパシフィック市場ではまだ途上。このタイヤを、コンチネンタルの「アジアパシフィック市場への『本気』」と捉えると、マックス・コンタクトMC6の真の実力が見えてくる。

画像: 「アジアパシフィック市場向けタイヤ」という意図

This article is a sponsored article by
''.