クラウンのハンドルを握って思わず笑顔
この記事の前編では“コネクティッドカー”を扱ったが、そのときに登場してもらったGOLULUのふたりが今回も笑顔で案内役を務めてくれる。改めて紹介するが、ふたりは平成9年生まれの同級生で、ある名門コースでキャディとしてフルタイムで働いている須貝香菜美さんと、家の仕事を手伝いながらときどきキャディもしている満石奈々葉さんだ。
ふたりはプライベートでは日常的にプリウスに乗っているそうで、ゴルフもうまいが運転の技術もなかなかのもの。今回の取材で太平洋クラブ成田コースへの往路はいま話題のカローラスポーツに乗ったが(前編)、復路は“先進の予防安全技術”の話をしながらクラウンのハンドルを握ってもらった。
取材日は天候にも恵まれ、スコアも上々でご機嫌なGOLULUのふたり。クラブハウス前でクラウンに乗り込んでも思わず笑顔がこぼれる。そして、そもそもトヨタファンのふたりはトヨタの最新モデル、クラウンに興味津々といったところだ。
レーダークルーズコントロールには感激
運転席に座った須貝さんがまず注目したのがバックミラー手前のルーフ部にある赤いクルマのマークがついたスイッチだ。「これなんですか?」と、「いいところに気が付きましたね」とはWebモーターマガジン編集部、そうそうこれは目立たないといけないスイッチだから、最初に注目されたというのはトヨタの狙いどおり。
さて、これは“ヘルプネット”といい、事故や急病時にこのボタンを押すと専門のオペレーターが警察や消防に取り次いでくれるシステムだ。また、エアバッグ作動時には自動でオペレーターに接続してくれるというから安心だ。さらに車両データをもとに重症度を指定してドクターヘリ等の早期出動判断を行う“D-Call Net”にも対応している。
「これは安心ですね」と納得の須貝さん。そんな話をしているうちに、クラウンは高速道路へと入った。初めてハンドルを握るクルマということもあって、若干の緊張感はあるようだが、合流などはスムーズにこなして走行車線を巡航する。そして、レーダークルーズコントロールを80km/hにセットした。
するとしばらくして須貝さんから「楽チンですねえ」とひと言。「どのあたりが楽チンですか?」と聞いて見ると、さすがに運動神経抜群で、毎日クルマを乗りこなしているだけのことはあると思わせるお答え。「前のクルマに一定の距離を保ってついていくし、車線をはみ出しそうになると警告してハンドルも軽く操作してくれるんですね」と。
何かと飲み込みが早いGOLULUのふたりには、このレーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシスト(LTA)の他に、プリクラッシュセーフティとロードサインアシスト(RSA)、アダプティブハイビームシステム(AHS)かオートマチックハイビーム(AHB)がセットで“Toyota Safety Sense”と言いますと説明すると、「トヨタ車ってスゴイ!」と言いつつニコニコしていました。
クルマを遠隔操作できるなんてスゴイ
さてここでちょっと補足説明すると、2015年に導入されたToyota Safety Senseは2018年から第2世代となり、カメラ・レーダーの性能向上で検知対象が拡大し機能がアップ、さらにLTAを採用、ユニットは小型化し搭載性がよくなった。また、第1世代は日米欧でほぼすべての乗用車に設定(標準もしくはオプション)を完了している。
トヨタの安全に対する考えをGOLULUのふたりにも理解してもらったところで、ちょっとひと休み、PAへ立ち寄ることにした。そして、木陰のベンチに腰掛けてスマホをチェックしている須貝さんに「クルマの鍵かけた?」と声をかけてみた。「ええ、かけたと思いますけど・・・・・・」、「大丈夫?」、「そう言われるとちょっと不安になります」とお返事。
そこで“My TOYOTA for T-Connect”の“マイカーSecurity”を使ってみるようにススメた。これはドア・トランクの開閉やハザードランプの点灯状態、オートアラームのオン/オフなどをスマホで確認でき、遠隔でドアロック、ハザードランプ消灯のリモート操作も可能なのだ。さっそくこれで確認してみるとドアはきちんとロックされていた。
このシステムがあればショッピングセンターなどでたまにあるアナウンス、「駐車場にお停めのナンバー○○○○番のクルマ、ハザードランプ付いています。至急、おクルマまでお戻りください」などにも簡単に対応できるというものだ。また、家から離れたところに駐車場を借りている人も何かと安心だ。
これでスコアアップも確実でしょう
さて、ここで今回、試乗したクラウンについて改めて説明しておこう。初代モデルは1955年に誕生しており、このモデルは15代目ということになる。そしてトヨタはカローラスポーツともに“初代コネクティッドカー”と位置づけているモデルだ。さらに第2世代型の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車標準装備したことも大きな特長だ。
走りの面でも注目すべき点は多いが、とくにこの取材で借り出した2.0ターボエンジン搭載車は運転が抜群に楽しい。また、2.5ハイブリッドは従来のクラウンの走行フィールを受け継ぐ正統派。さらに3.5ハイブリッドは最新システムで燃費、動力性能ともに非常に高い次元にあり、総合力の高さはピカイチだ。
さらに安全・安心に関わる部分ではここまで説明してきたこと以外にも注目点は数多くある。たとえば「トヨタつながるクルマの保険プラン」がそれで、これは車両から取得したデータに基づいて、毎月の安全運転度合いを保険料割引に反映させるという画期的な自動車保険だ。
また、警告灯点灯時、車両から発信される情報をもとにコールセンターからアドバイスを受けられる「eケア走行アドバイス」やエンジンオイル量や電子キーのバッテリー警告灯点灯状態などについてスマホで確認できる「eケアヘルスチェックサポート」というサービスもある。
さらに「コネクティッドメンテンナンスパック」では、定期点検に加え、車両情報(走行距離)を活用し、適切なタイミングでメンテナンスを受けることができる。「Toyota Safety Sense」で予防安全が進み、さらに「コネクティッド」によって安心・便利になってきたわけだ。サービス内容の充実ぶりは“初代コネクティッドカー”に相応しいものだ。
さて、東京に戻ってきたGOLULUのふたりはクラウンから降りるのが残念そう。クラウンでゴルフ場の往復ができたら「私たちもっとスコアが良くなりますね」と、核心をつくまとめの言葉を聞かせてくれた。どこまでも前向きなふたりとの「コネクティッド」と「セーフティ」の取材は楽しく終了した。
撮影:井上雅行 取材協力:太平洋クラブ成田コース 衣装・小物協力:アドミラルゴルフ