いまに繋がる名車が続々登場
1989年は1月1日から7日までが昭和64年、1月8日から元号が“平成”となった。12月29日には東証株価が過去最高値をつけるなど、バブル経済の絶頂期だった。東京モーターショーの開催会場が晴海から幕張になったのはこの年。いろいろな意味で活気にあふれた1年で、国産乗用車のニューモデルは33台(自工会発表資料)だった。
平成1年の主な出来事
・消費税導入、税率は3%
・横浜ベイブリッジが開通
・横綱千代の富士が国民栄誉賞
・ベルリンの壁が崩壊
・任天堂ゲームボーイ発売
・仙台市が政令指定都市に
・美空ひばり死去
・音楽 Diamonds(プリンセス・プリンセス)
・映画 インディジョーンズ 最後の聖戦
・流行語 一杯のかけそば
スバル レガシィ

この年に初代レガシィが登場、以後、スバルの看板車種になったのはご存じのとおり。1980年代の経営危機から富士重工を救ったと言っていいモデルだ。
日産 180SX

大人気となったS13シルビアの北米向け輸出仕様である240SXをベースに国内向けに開発されたのが180SX。スタイリッシュでドライビングが楽しいFRということで人気を呼んだ。
ホンダ インテグラ

俳優マイケル.J.フォックスによる“カッコインテグラ”のCMが印象的。技術面では初のVTECエンジンである“B16A”を搭載したことが最大のトピックだろう。
日産 スカイライン

歴代スカイラインの中で突出した人気を誇ったR32型。5月にセダンとクーペがデビューした後、8月には16年振りにGT-R(BNR32)が登場して大きな注目を集めた。
日産 フェアレディZ

“スポーツカーに乗ろうと思う”というキャッチコピーとともに登場。日本の乗用車として初めて自主規制枠いっぱいの最高出力280psのエンジン(VG30DETT)を搭載した。
マツダ ユーノスロードスター

初代ロードスター(NA)はマツダ5チャンネル体制のユーノス店からの5月にデビュー。翌年にはスポーツカーとしては異例の世界販売台数、9万4000台を記録する大ヒットとなった。
トヨタ セリカ

5代目となるセリカが平成1年にデビューしている。ボディは4代目の流面形をさらに進化させた“ニューエアロフォルム”となった。また、91年にはWRCホモロゲ用のGT-FOUR RCが販売されている。
トヨタ セルシオ

バブル絶頂期を象徴するモデルのひとつがこの初代セルシオだろう。あらゆる面でそれまでの国産車のレベルを大きく上回る出来映えだった。このときアメリカではレクサスブランドが立ち上げられたのはご存じのとおりだ。
トヨタ MR2

トヨタは最高級セダンのセルシオを投入する一方、スポーツカーにも力を入れていた。この年にデビューしたのはひとまわり大きくなったMR2の2代目(SW20)だ。
日産 インフィニティQ45

トヨタのセルシオに対抗すべく登場したのがインフィニティQ45。グリルレスのフロントマスクには七宝焼きエンブレムが装着するなど和風に仕立てられていた。