保守的に思えるトヨタだが、じつはトヨタの歴史はチャレンジの歴史でもあった。時代の先を行き過ぎたクルマから、一体どうした? と首をかしげたくなるクルマまで、トヨタのチャレンジを改めて俯瞰してみる。最終回となる第13回はユニークなRV「bB オープンデッキ」だ。

時代の先を行っていたのは確か

カスタムを前提に、ワルっぽい雰囲気を全身から漂わす小型トールワゴン、bBの初代がデビューしたのは2000年2月。発売されるやいなや、思惑どおり?若者を中心に大ヒット。広大な室内スペースが中高年にもウケるという、うれしい誤算もあった。

画像: Bピラーより前のボディパーツは、基本的にノーマルのbBと変わりはない。

Bピラーより前のボディパーツは、基本的にノーマルのbBと変わりはない。

とはいえ、bBの本質はやはりサブカルチャー。基本的には夜のストリートが似合う。そんなbBをベースに「昼間が似合う健全な(?)クルマ」にしたらどうなるか、という実験的試みで2001年6月に追加されたのが、オープンデッキだった。

画像: 後ろのドアは小型化され逆ヒンジとなり、観音開きを採用している。

後ろのドアは小型化され逆ヒンジとなり、観音開きを採用している。

1.5L版をベースに、ボディ後半部を大きくモディファイ。荷台をもつピックアップトラック・スタイルに、ルーフ上から荷台までのバーも備わり、ドアも観音開きに変更されている。荷台があるから4ナンバーの商用車か…と思いきや、登録区分は5ナンバー(乗用車)だった。

画像: リアコンビランプは当時のハイラックスからの流用。リアウインドーもハッチ式に開いた。

リアコンビランプは当時のハイラックスからの流用。リアウインドーもハッチ式に開いた。

ユニークなスタイリングは注目を浴びたが、意気込みとは裏腹に販売は不振。ベース車のモデルライフ終了を待たずに2003年3月に生産終了してしまう。

時代の先を行きすぎてしまったのか。いま登場していたら、もっとウケていたのではないか…と惜しまれる1台だ。

画像: インパネの基本デザインはベース車と変わらないが、カラフルな内装色を採用した。

インパネの基本デザインはベース車と変わらないが、カラフルな内装色を採用した。

bBオープンデッキ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3895×1690×1670mm
●ホイールベース:2500mm
●重量:1020kg~
●エンジン型式・種類:1NZ-FE・直4DOHC
●排気量:1496cc
●最高出力:110ps/6000rpm
●最大トルク:14.6kgm/4200rpm
●10・15モード燃費:15.0km/L
●燃料・タンク容量:レギュラー・45L
●トランスミッション:4速AT
●タイヤサイズ:185/65R15
●価格(当時):169万円

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