タイトル写真は、画像加工により制作した架空の番号です。「N」は存在しません。
アルファベット導入のきっかけは希望番号制度の普及だ
330mm×165mmというサイズの日本のナンバープレートには、いくつかの文字が刻まれている。乗用車であれば、上段に「地域名」と「3桁の分類番号」が、下段に「ひらがな1文字」と「4桁の一連指定番号」が並んでいる。
日本におけるナンバープレートは一見、昔から大きく変わっていないように見えるものの、実はなんども制度が変更されてきた。
過去、昭和20年代には横長の欧州のナンバープレートのような形で発行されことがあるものの、昭和30年代には現在とほぼ同じ形に統一されている。ちなみにこの縦横比は1:2で、アメリカと同じ数値だったりする(6×12インチ=約152.4×304.8mm)。
そのほかにも、分類番号が「1桁(1950年代以降)」→「2桁(1967年以降)」→「3桁(1997年以降)」に変更されてきた歴史もある。
さてここ最近、このナンバーに変化があったことを知っている人も多いだろう。日本で開催されるラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックにちなんだ「図柄入りナンバープレート」、また“葛飾”や“伊勢志摩”などの「ご当地ナンバー」も2018年に導入されたばかりだ。
ナンバープレートのニュースとしてもうひとつ挙げられるのが、「分類番号へのローマ字の導入」だ。下の画像、赤の下線部「分類番号」の3桁のうち、下ふた桁にローマ字を表記できるようにするものである。これは2017年1月に国土交通省が施行したもので、2018年1月から実際にナンバー交付されている。
なぜこんな制度が必要になったのかといえば、1999年にはじまった希望番号制度の普及により、いくつかの数字に人気が集中したからだ。誕生日や記念日などに由来する数字であればまだ在庫に余裕はあるようだが、地域によって「・・・1」や「・・・8」など抽選となる数字で事態は切迫していた。
そこでアルファベット26文字の中から「A」や「C」、「F」など10文字を選択、分類番号の下ふた桁に導入できるように制度を変更。ちなみに、B(ビー)やI(アイ)、O(オー)など16文字のアルファベットは、数字と混同する恐れもあるため欠番となっている。
導入されたアルファベット10文字
A C F H K L M P X Y
この分類番号を指定することはもちろんできないのだが、時期を見計らって希望の番号を獲得することはできるのかもしれない。そこで、車種名やエンジンの型式などクルマ関連でなにかいい文字列はないか、思い巡られてみた……。
しかし、4AGや13Bなどは論外だし、32Rや33Zも組み合わせ不可だ。頭文字を「3」か「5」に限定した3桁で、さらにアルファベットを入れるとなると意外にも思い当たらないものである。とはいえ、ナンバープレート発行元を混乱させないためにも、こうした小細工はしないほうが良さそうだ。
さて、「分類番号へのローマ字の導入」によって今後もナンバーを用意できるようになったものの、あくまでこれは一時しのぎでしかない。十数年後には、また同じ状況になってしまうことだろう。同種の方策で対処するのか、はたまた抜本的な改革を図るのか、少し気は早いが気になってしまう。