HANS、ハロ、新規格ヘルメットなど、次々と新しい安全デバイスが導入されているが、今年からF1グランプリで着用が義務づけられる「バイオメトリックグローブ」には驚かされた。「バイオメトリックグローブ」とはいったいどういうものなのか、さっそく紹介しよう。

ドライバーがどんな状態にあるかを瞬時に把握

「バイオメトリックグローブ=BIOMETRIC GLOVES」とは生体認証技術を取り入れたレーシンググローブのこと。精巧なセンサーがグローブの生地のなかに縫い込まれていて、ドライバーの脈拍や血中酸素濃度などの生体データをモニタリングできるという画期的なものだ。

これにより、アクシデントが起きた際、クラッシュ直後のドライバーの状況を瞬時に把握し、このデータをメディカルセンターに送信することで、初期対応を素早く行えるとしている。救急時の対応を改善するために、FIAと複数のメーカーが共同で開発した。マシンに閉じ込められてドライバーの状況がわからない場合やマシンが裏返しになった場合などに、とくに有効と考えられている。

現在はレスキューで駆けつけたスタッフが、ドライバーの状況をいち早く把握し、ドクターなどに伝えることを想定しているが、離れた場所でもデータを取得できるようになればより効果は上がるだろうし、今後、取得できるデータが増える可能性もある。

F1はただ速いだけではない。こうした最先端の安全デバイスをいち早く取り入れ、他のカテゴリーをリードしていく存在だからこそ、モータースポーツの最高峰と言われるのである。

画像: 3mm厚のセンサーが埋め込まれたバイオメトリックグローブ。FIAと複数のメーカーが共同で開発した。

3mm厚のセンサーが埋め込まれたバイオメトリックグローブ。FIAと複数のメーカーが共同で開発した。

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