ルクレールの戦略はほぼ完璧だったがその結末は予測不可能なものだった
決勝スタートのタイヤはロバート・クビサ(ウイリアムズ)をのぞくすべてのドライバーがソフトを選択。しかし、そのソフトタイヤのタレが意外と早く、8周目にセルジオ・ペレス(レーシングポイント)がアンダーカットを狙ってピットインすると、それを追うように各ドライバーがタイヤ交換に入る展開となった。
上位陣の最初のピットストップも予想より早く、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が11周目にピットインすると、翌12周目にバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)がこれに続いた。ここでフェルスタッペンはボッタスのアンダーカットに成功するが、ボッタスはすかさず13周目にコース上で順位を取り戻している。
13周目にはトップを走るシャルル・ルクレール(フェラーリ)と3番手のルイス・ハミルトンがピットインし、翌14周目に2番手のセバスチャン・ヴェッテル(フェラーリ)もこれに続くが、ヴェッテルのタイヤのデグラデーションは大きく、ハミルトンにアンダーカットを許してしまう。
ほぼすべてのドライバーが2ストップ戦略を採用したが、トップ3が異なるチョイスを行ったのも興味深い。トラブルが発生するまでトップを独走していたルクレールは、Q2で使用したソフトタイヤでスタートし、13周目に新品のミディアムタイヤ、36周目に再び新品のミディアムタイヤに履き替え、38周目にファステストラップをマーク。一方、優勝したハミルトンは13周目に新品のソフトタイヤ、34周目に新品のミディアムタイヤに履き替えている。
5位のヴェッテルは3ストップとなったが、3回目はアクシデントによるものだった。ちなみに、フェルスタッペンはルクレールとほぼ同じ戦略をとっている。バーレーンGPでは大半のドライバーが2ストップ戦略を採用したことからハードタイヤの装着は限定的だった。
ピレリカーレーシングのマリオ・イゾラ代表はバーレーンGPを振り返って「タイヤ戦略がレースの鍵を握っていましたが、ルクレールはそれをうまくまとめ、勝者に値する走りを見せていました。ただ、その結末は劇的で予測不可能なものでした。フェラーリとメルセデスは、お互いにアンダーカットを試みるピットストップを行いましたが、ルクレールはリードを譲ることなく2回目のピットストップを行えるほど優位に立っていました。戦略は広範囲に渡り、実際、チーム内で同じ戦略を採ったチームは2つのみでした」と語っている。