牧野任祐、アレックス・パロウのTCS NAKAJIMA RACING勢はソフトタイヤでフロントロウからのスタート。一方のセカンドロウ、DOCOMO TEAM DANDELIONの2台はミディアムタイヤを装着し異なるレース戦略をとる。
タイヤ交換ためのピットインが義務付けられた43周の決勝レースがスタート。ポールスタートの牧野はトップを守るが、鈴鹿を得意とする山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION)が2番手にジャンプアップ。パロウは一旦3番手に順位を下げる。
ミディアムタイヤでスタートした山本を2周目にパスしたパロウはトップを走る牧野に肉薄。チーム内バトルの様相となるが、グリッド作業でのペナルティによりパロウにドライブスルーペナルティが課され、パロウは12番手まで後退してしまう。
9周目、そして15周目にに起こったクラッシュにより2度のSCが導入され、殆どの車両がピットインしタイヤ交換義務を果たす。最初のSC導入以前にピットインしソフトタイヤに履き替えていたニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)が、タイヤ交換を行なったマシンの中ではトップに。交換したミディアムでペースが上がらない牧野はキャシディ、山本らに交わされる。そしてまだピットインをしていない小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)とパロウが首位を争うが、マシントラブルによりパロウがストップ。またこれにより3度目のセーフティーカーが導入される。
22周目に3度目のSCが解除されると、タイヤ交換義務を果たしていない小林可夢偉の後方でキャシディと山本が実質的なトップ争いを再開する。また牧野任祐と山下健太による表彰台を賭けたバトルだが、何と牧野のリアタイヤが外れるというアクシデントが発生。スポンジバリアに激しく突っ込み4度目のSC導入となる。
ソフトタイヤで逃げ切る作戦が4度のSC導入により台無しになった小林可夢偉だが、それでもキャシディ以下を引き離しトップで周回を続ける。そして観衆が注目する中、最終周の43周にようやくピットインしタイヤチェンジ。これによりキャシディ、山本、山下の順でレースはチェッカーとなり可夢偉はポイント圏外の9位。
SF19のこけら落としは4度のSC導入という大荒れのレースとなり、チーム戦略が的中したニック・キャシディの勝利となった。予選を席巻したナカジマレーシングの2人は揃ってリタイア。終わってみれば昨年ドライバーズタイトル、チームタイトルを争った3選手が表彰台に登ることとなった。(PHOTO:井上雅行)
スーパーフォーミュラ第1戦 決勝結果(ポイント獲得者)
1位 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)
2位 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION)
3位 山下健太(KONDO RACING)
4位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
5位 坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
6位 国本雄資(KONDO RACING)
7位 ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)
8位 ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)